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消費者のアイデアは“無尽蔵の資源”

  • 田中 成幸

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2009年4月15日(水)

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 先日、無印良品有楽町店に出かけ、ある商品を購入した。「貼ったまま読める透明付箋紙」というものである。

 この商品は、商品名が示す通り、付箋紙が半透明の紙でできている。そのため、付箋紙の下の文字が隠れてしまわないので便利だ。また、本やプリントの文字を付箋紙ごしに透かして、何かしらの情報を追記する際にも活用できる。

 商品化されてみれば、なぜ今までこの機能を訴求する商品が無かったのかと不思議に思うような特徴である。しかし、あまりに身近なニーズというものは、その身近さ故に、とても汲み取りにくいものなのかもしれない。

 思い返せば、私も普段付箋紙を使っている時にこういう商品があったらいいなと思っていた。もっとも、使い終わるとその気持ちは煙のように消え、洗濯物を取り込まなければとか、食材の買い出しに行かなければといった、より生活していくうえで重要な懸案が思考スペースを占有してしまっていた。

 今思えば、付箋紙の使用時、自分の頭の中に多くの消費者が賛同するようなイノベーティブな商品アイデアを閃きながら、なぜそれを自分の利益につなげることを考えなかったのかと少しだけ残念に思っている。と同時に、「貼ったまま読める透明付箋紙」の発案者である消費者に便利な商品を作ってくれたことを感謝してもいる。

無印良品の製品開発担当者ではなくて?

 そう、この商品ができたきっかけは、私たちと同じ消費者が商品アイデアをとあるインターネットサイト「空想生活」上に投げかけたことなのである。

 しかもこのユニークなネーミングのサイトでは、商品コンセプトやデザイン、使い勝手などのアイデア出し、寄せられたアイデアに対する改良意見や購入希望価格に至るまで、消費者が大きく関わりながら、消費者が本当に欲しいと思う商品を作っていくことができるようにデザインされている。

 今回は空想生活というサイトと、その運営会社であるエレファントデザインを紹介したい。

デザイン トゥ オーダー(DTO)モデルとは

 空想生活は一言で言うと、多数の消費者のアイデアやニーズやデザイナーなどの専門家の技術などを混ぜ合わせ、自動的に商品に結実させるシステム(エレファントデザインではこれをユーザイノベーションプラットフォームと呼んでいる)である。

 空想生活は具体的には以下のプロセスを経て、消費者のアイデアの商品化を行う。

(1) アイデアの投稿
  消費者が閃いたアイデアを、文章や商品のスケッチ、写真などを添えて投稿する。空想生活はウェブ上にあるので、インターネットへのアクセスさえ確保されていれば、閃いたアイデアを、その記憶が消えてしまう前に書き込むことができる。
(2) デザインの提案
  寄せられたアイデアに対して、空想生活の約9万人のユーザーやデザイナーがデザイン案を投稿する。
(3) 商品化に賛成するメンバーの募集
  空想生活に寄せられたアイデアは、他のユーザーがそのアイデアに魅力を持っているかどうかを示すための機能として、投票機能や仮予約機能(投票数が集まり、ある程度の需要が見込めるようになると、製造を希望するメーカーからの見積もり(ロット数と価格)をもって、仮予約が行われる)が備わっている。これらの機能により、提案されたアイデアに対してどれほどの需要があるのかを把握する。
(4) メーカーとの商品化検討
  ニーズがあると判断されたアイデア(投票や仮予約への応募数が一定数を超えた時点でニーズありと判断される)については、空想生活の管理者であるエレファントデザインがアイデアを製品化してくれるメーカーの選定・営業を行う。その過程で、技術的・法的な問題の有無、想定される販売価格に対するニーズの有無などについても検証したうえで、消費者の生んだアイデアを具現化するためにサポートする。
(5) 商品化
  (1)~(4)のプロセスをクリアしたアイデアはメーカーによって製品化され、仮予約した消費者に販売される。また、継続的にニーズが生じる商品に関しては、その都度再販売予約という形で消費者のニーズを把握して生産・販売する。

コメント3件コメント/レビュー

大本の発案者には何のメリットも見返りもないシステムなのかと思います。他の人の意見と「ブラッシュアップ」することで、著作権が薄れるような気がします。当該商品の「本質的なアイデア」を提供したユーザーには、なんらかのロイヤリティを支払う仕組みを作るべき。そうでないと、このモデルでは消費者によるアイディアの「出し損」だと思います。(2009/04/15)

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いただいたコメント

大本の発案者には何のメリットも見返りもないシステムなのかと思います。他の人の意見と「ブラッシュアップ」することで、著作権が薄れるような気がします。当該商品の「本質的なアイデア」を提供したユーザーには、なんらかのロイヤリティを支払う仕組みを作るべき。そうでないと、このモデルでは消費者によるアイディアの「出し損」だと思います。(2009/04/15)

 こういう仕組みで非常に憂慮しているのが、特許権の問題です。アメリカでは特許は申請主義ではなく、発生した時点で特許とみなされるので、心配はいりませんが日本ではこういった特許につながりそうなものがウェブ上で共有された場合、先に申請してフリーライドする人物が必ず現れます。阪神優勝という言葉が新聞紙面上で使えなかったりしたのは、記憶に新しいかと思います。 ビジネスアイデアとしてもこういうプラットフォームはありがたいのですが、それが社会ルールである法律と結びついた場合、イノベーションを阻害するような気がしてならないのは私だけでしょうか。(2009/04/15)

 透明付箋はここ中国には以前からある。日本でみかけなかったので便利に使っている。 なぜ中国に先を越された?この小さな付箋は今の日本と中国の違いを象徴していないか。日本のメーカーはあまりに腰が重く生産にこぎつけるまでのプロセスが長すぎるのでは。 ここでは学生たちでさえ起業するつもりと言い切る者が多い。起業も簡単、潰れるのも簡単とはいえ、その精神がこの国を動かし続けていると思う。 あるといいな的モノたちは日常生活を少し豊かに便利にする小物が多いのでは。中国製品(アイディア)に圧されないためにもフットワーク軽く動いてほしい。(2009/04/15)

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