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次のレベルの豊かさを目指すために

2009年5月2日(土)

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 「近頃の若者はなっておらん…」

 時代を超えて、旧世代の人たちはこのような不満の言葉を漏らします。最近の若者の生活は豊かであるが、それが当たり前のような顔をしている。泣きごとを言うばかりで、彼らには野心がない。大体、あのだらしない服装はなんだ。あのやかましい雑音が音楽なのか、と。

 自身の人生の経験を基に、旧世代は断言します。「私が若いころには違った」と。活力があり、物事をなし遂げようという行動心があった。家族の絆が強く、道徳を大切にした。自分たちの身分を越え、社会への忠実心もあった――。

歴史に残るのはほんの一握りの人々の生活

 ただ、100年ほど前、渋沢栄一はこのような厳格な一般論に異論を唱えました。「昔の少数の偉い青年と現代の一般青年と比較してかれこれ言うことは少し間違っている」。そして、「今の青年の中にも偉い者もあれば、昔の青年にも偉くない者もあった」と言ったのです。

前回の英文記事※1をご参照ください。

 確かにその通りかもしれません。昔の若者たちのすばらしい功績(あるいはひどい失敗)を人類の歴史として、私たちは読んだり聞いたりします。ただ、これはその時代のごく一部のスナップ写真だけが、時代を超えて私たちの手元に残っているだけに過ぎません。このスナップ写真には、普通の人たちの普通の生活は残りません。

前回の英文記事※2をご参照ください。

コメント4件コメント/レビュー

マクロ経済的に考えれば、経済が発展するには、総中流の方が効率がいいのですよ。また、治安的にも、社会の安定性のためにも、総中流的社会の方が有利なのです。(2009/05/27)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

マクロ経済的に考えれば、経済が発展するには、総中流の方が効率がいいのですよ。また、治安的にも、社会の安定性のためにも、総中流的社会の方が有利なのです。(2009/05/27)

思想としての総中流社会はいまだに有効だと思います。現在は次のレベルの豊かさを求めることができるのか、必要があるのか、それすら不明な時代にあるのではないでしょうか。また、次のレベルの豊かさを求めた結果が、総中流社会から貧困と格差への変化であってはならないと思います。(2009/05/07)

次のレベルの豊かさを目指さなくてはいけないのでしょうか。もう十分豊かだと思うんですけどね。買うべきものももうないし、あるとしたら、労働時間の削減くらいでしょうか。次のレベルの豊かさを提示されるのかと思ったので残念です。(2009/05/07)

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三品 和広 神戸大学教授