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【第1回】思考停止にさせる言葉「先が見えない」

“先”とはどれぐらいのスパン、単位の話なの?

  • 久次 昌彦

  • 松田 大介

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2009年5月20日(水)

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 2008年10月頃からどうも不思議な感覚を持つことが増えてきていた。ちょうどリーマンショック直後で、経済環境の急激過ぎるほどの変化がスタートし始めていた時期だった。振り返ると「先が見えない」という言葉を聞く頻度がこの頃から急激に高まっていった。

 筆者らはプログレス・パートナーズというコンサルティングファームに籍を置いており、NBオンラインではWeb、ムックともに経営に関わる記事をこれまで十数回ほど寄稿させていただいている。筆者らはコンサルタントという職業柄のせいか、急激な変化に追いついていけない企業の状態を見ることも少なからずあるのだが、メディアで語られている内容と、「会社の中からの視点」で見た内容とが、どうも何か違っていたのだ。

 両者の間で、当たっている・当たっていないという次元の話ではない。どこか「ズレて」いて、鵜呑みをしたら変な方向に意識がいってしまいそうな・・・、そんな印象を持つことが、2008年10月頃から急激に増えてきていたのだ。

「どうしたらいいんだろうか」と情報を探す人たち

 2008年後半くらいから「これから先どうなるんだ? どう考えている?」という質問を受けることが多くなり、メディアにその答えを求めている人も多かった。しかし、直接的に役立つメッセージは少なかったのではないかと思う。筆者らが知人とこのテーマについて話している時に、彼は興味深いことを口にした。2008年の10月頃だった。

 「メディアから情報をどれだけ集めようとも、自社を取り巻く現状を打破するための、ダイレクトな情報に辿り着くことは難しい。しかもタチの悪いことに、情報を集めることで何か自分が仕事をしているような錯覚に陥ってしまう人もいる。結局、解決策を考えるのは自分の頭という当たり前の結論に辿り着くまでには、随分な遠回りだと思わないか?」

 知人のこの発言は、確かに的を射ている部分があった。しかし、激変する現在の市場に対して何か取っ掛かりが必要なのも事実で、何か具体的な次のアクションにつなげられるものはないかと探していた。

4年前なら同じ生産量でも利益は出ていた

 それから少し時が経ち、2008年12月頃になる。筆者らはトヨタ自動車の関係者との雑談でこんな話を聞いた。

 「我々は乾いた雑巾を絞る活動をずっと続けてきたつもりだったが、好景気の波に乗り、また米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜けるところまでとうとう来ることができたことに目を奪われて、知らず知らずのうちに雑巾を絞る手が麻痺していたのかもしれない」

 2008年12月当時、トヨタの2009年3月期の生産台数の目安として700万台という数字がメディアに掲載されるようになっていた。実はこの数字は4年前(2005年3月期の生産台数は723万台)の水準と言える。この当時、よく耳にしたのは「4年前は1兆円の利益を出せていたのに、なぜ今年(2009年3月期)は赤字になるのか」だった。原因はいくつか挙げられるだろうし、その1つには増産体制を取ってしまったこともあるだろう。ただ、「原因はそれだけではない」という認識の下で、こんな会話が続いた。

 「金融テクニックであぶく銭を持っていた米国市場に頼り過ぎたのかもしれない。トヨタはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)にフォーカスして確かに市場の成長率の高いところをうまく攻めていたが、利益率の高い米国市場の“なぜ米国がこれほど景気よく、車が売れるのか”を誰も考えなかったツケが来たのか。それとも景気が良い時は、皆あまり理由を考えず“売れてるからいいよね”という考えになってしまったのかな」

 この後、市場の激変はさらに進んだ。2009年2月末には、2010年3月期では生産台数は620万台を目安とした生産体制を取ることをトヨタがサプライヤーに通達したというニュースが流れていた。そして3月前半頃には、愛知県の自動車部品メーカーの来期の投資のための予算は(引き続き)凍結なのだという話も聞こえてきていた。

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