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【第2回】「全部署、一律1割コスト削減せよ」に経営センスを感じない理由

それよりも、スピードを目標に掲げた言葉を

  • 松田 大介

  • 久次 昌彦

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2009年5月27日(水)

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 「先が見えない」--。

 第1回は、昨年秋のリーマンショックから何度も見聞きすることになった、“思考停止を起こさせてしまいかねない”代表的な言葉、「先が見えない」を取り上げた。今回は、同様のテーマで最近気になっているものを追加したい。それは“コスト削減に関する”ものである。このテーマはこの半年間で特に頻繁に出てきたトピックだったし、現在においても非常に関心の高いトピックだろう。

コスト削減策のアイデアを聞いてみると・・・

 売り上げが急減している中、企業はコスト縮小による赤字幅の縮小や利益の創出に躍起になっている。ここで、製造業のことはあまり知らない、非製造業の業種で働いている知人に、「製造業のコスト削減方法って聞くと、何が思い浮かぶ?」と、ざっくばらんに質問してみると興味深いことに気づくだろう。

 最も多い回答は「購買コストを下げるために、ボリュームディスカウントができる購買方法を採用する」だと思う。実はこのコメントは、筆者らが非製造業で働いている知人から得られた回答だ。

 この時、ふと感じることがあった。それは製造業に関わる従業員であっても、コスト削減施策として真っ先にこの案が思い浮かぶだろう、ということだった。「非製造業にいる人が思い浮かぶ案は、製造業の従業員が最初に思い浮かぶ案とあまり変わらないのではないか」という感覚である。“最初に”“感覚”という曖昧な表現を意図して使っている理由は、「感覚として持っている認識は、その事業に関わる全員の共通認識となっている場合が多い」という経験則からだ。

 「知識の有無の差によって思い浮かぶ案が異なることがない共通のアイデア」、これが関係者の共通認識となっている時が非常に多い。端的に言えば、「最初にボリュームディスカウントでコストを削減しようとする」傾向が大変強いのだ。しかしすぐに壁があることに気づいて前に進まなくなってしまっているように見受けられる。

購買コスト削減には2つの考え方

 もともと、モノを買うコストの削減施策が求められた時、人間の考え方は2種類に分けられる。前者は既に決まっているモノをどうやって安く買うかを考える人、後者は買ったもので得られる便益を変えずに、買うモノそのものを変える人である。

 モノを買うのか、モノから得られる便益を買うのか。これで購買コスト削減の方針そのものが変わる。もちろん、実務的には「そうは言っても」と購買部門の方であれば、こう述べるだろう。

 「買うモノは既にだいたい決まっているんです。生産で使われるものはあらかじめ設計段階で決まっていますから」

 その通りだ。「生産コストの7割は、設計段階で決まる」と言われている。「いや、もっと多い。8割近い」と言う人もいるくらいだ。購買部門からすれば、購買コスト削減をするためには、どこかで必ずこの現実に戻ってくることになると言っても過言ではない。

「一律1割削減」を求める時代はもう終わっている

 以下の図は筆者らが関わった、ある電気機器・部品メーカーでのプロジェクトの分析結果を本稿用に用意したものであり、コスト決定要因とコスト発生額の関係を示している。「コスト発生額」は材料購入のところが多いが、「コスト決定要因」の大半を占めているのは、その前工程であることが分かるだろう。

画像のクリックで拡大表示

 冒頭に、「非製造業の人に、製造業のコスト削減方法を聞いてみる」という例を挙げたが、事業活動の遂行に関わる各部門の中でコストの「発生額」が多いところに人の関心は向き、その範囲内だけで何とかできないかと考えてしまいがちである。購買であれば、好景気下では発注量を大目に見積もって購買力を強めて「一律1割削減」というような交渉もできたかもしれない。しかし、現在はそのような交渉はかなり難しい。

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