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日本一有名な駅長「たま」を生んだ
地方公共交通の救世主

両備グループ代表 小嶋光信

  • 荻島 央江

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2009年8月28日(金)

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なぜ、大手私鉄がさじを投げた
赤字ローカル線の再生に挑むのか。
なぜ、規制緩和で崩壊寸前の
バス会社を救おうとするのか。
そこにはある人物との出会いがあった。

 

小嶋光信
MITSUNOBU KOJIMA

1945年東京都生まれ。64歳。68年、慶應義塾大学経済学部卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。73年に義父が経営する両備運輸(現・両備ホールディングス)に常務として入社。以後、両備グループ各社の役員を歴任、99年から現職。趣味はスキー。自宅から会社まで約20分歩くのが日課

車窓からのどかな田園風景が広がる、和歌山市と紀の川市間14.3キロメートルを結ぶ和歌山電鐵貴志川線。この終点である貴志駅には日本一有名な駅長がいる。

 冬季の勤務時間は日曜日を除く、午前10時から午後4時半。日がな一日、駅長室に鎮座し、乗降客を出迎え、見送るのが彼女の仕事だ。

 駅長の名前は「たま」。茶と黒と白の毛色がトレードマークの9歳の三毛猫である。貴志駅のトップに着任したのは2007年1月。その姿を一目見ようと沿線住民はもちろん、全国各地から鉄道ファンや猫好きの観光客が押し寄せる。

 昨年1月には利用客増加に貢献したとして、駅長としてのキャリア1年ながら課長職に当たる“スーパー駅長”に昇進した。

 たまを駅長に任命したのは、岡山県有数の交通事業会社、両備グループの代表で、和歌山電鐵社長を務める小嶋光信。小嶋はたまを起用した理由について「初めて会ったときに『ああ、いい顔してるなあ。駅長にぴったりだ』と思ったんです」と笑う。

“たま効果”で赤字路線が息を吹き返す

たまに「和歌山県勲功爵」の称号が与えられたことを記念し、1月4日に「マント授与式」を開催。約300人の観衆が集まった(左の女性はたまの飼い主で、貴志駅に隣接する小山商店の小山利子さん)

画像のクリックで拡大表示

真赤な車体が目をひく「おもちゃ電車」は07年7月から運行中

 貴志川線はもともと南海電気鉄道の赤字路線だった。06年4月に両備グループが再建に取り組んで以降、利用客数は回復。「いちご電車」「おもちゃ電車」など趣向を凝らした列車の運行、地域住民の協力、何より“たま効果”もあって乗客数は3年足らずで10数%増加した。

 加えて、安全性を確保しつつ、運転士が乗務以外にホーム清掃や切符販売まで担当する“1人3役”の独自のローコストオペレーションを導入。収益性も着実に改善しつつある。

 小嶋率いる両備グループは、1910年、岡山の名士、松田与三郎が中心となって設立した西大寺鉄道をルーツとする。岡山市と西大寺市(現在は岡山市に合併)を結び、明治から昭和にかけて“岡山市民の足”として親しまれた。戦後、国鉄の競合路線の開通で鉄道事業が先細ると、社名を両備バス(現・両備ホールディングス。両備グループの中核会社)に変更し、バス中心の会社として存続することになる。

 以来、電車、タクシーなどの交通運輸業や情報サービス業を展開し、現在、関連会社57社、年商約1400億円の企業グループに成長。小嶋は73年、当時の社長、松田基の娘婿として三井銀行(現・三井住友銀行)からこの両備グループに入社し、99年より代表を務める。 

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