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脅威の新興国日本に共感を呼んだ栄一

2009年6月27日(土)

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 1909年の夏。太平洋上で夕食を終えた渋沢栄一は「ミネソタ号」のデッキに上った。厳夏の太陽から逃れた海の夜風は涼しかった。海から視線を上げた栄一は、北極星を見つけた。「ほう…」。北極星は、7年前に初めて渡米した時も同じところにあった。

 今回の団体は前回より大人数だ。栄一を団長とする「渡米実業団」のメンバーは、東京、横浜、京都、大阪、神戸(その後、名古屋が合流する)の実業家。婦人や付き人なども同行し、全員で51名の民間人が3カ月をかけて、シアトルからワシントンへと米国大陸を横断し、またサンフランシスコへと戻り、ハワイ経由で帰国する。53都市を訪れることになり、ウイリアム・タフト大統領や発明王のトーマス・エジソンなど各界の有識者と面談し、交流を深めた――。

 日露戦争で勝利した日本は、当時、新しい時代に突入していました。太平洋の反対側で急激に発展している新興国を、「脅威」と見なす世論が米国で盛り上がっていたのです。栄一の「渡米実業団」は、不信感や不安感を背景にした保護貿易など、欧米との間を壁で隔離することのないよう、良識のある民間人が実行した大規模な計画だったのです。21世紀に発展し始めた米国との自由な共生と交流は、お互いの繁栄につながるという信念がありました。

前回の英文記事※1をご参照ください。

これからは米国の時代と感じた栄一

 若き栄一は、1867年のパリ万博で、日本の使節団に参加する機会に恵まれました。このため、民間主導の資本主義によって国の発展に貢献しようという考え方を栄一に教えた「先生」は欧州でした。確かに19世紀までは欧州の時代でした。しかし、時代の潮流の中で栄一が読み取ったのは、20世紀は若く力強い気質を感じる米国の時代が来るということでした。

 栄一の読みは的中しました。20世紀は米国の揺るぎなき信条である自由と民主主義による合理的なモデルが大発展と繁栄につながります。ビジネスにおける米国的思想は、その後、「グローバル・スタンダード」と呼ばれるようになります。日米両国の間には不幸な戦争の歴史が残りましたが、20世紀は米国とともに日本も大発展と繁栄を享受しました。

 しかし、21世紀の米国の様子は違うようです。今世紀の幕が上がった途端、世界一の軍事力を誇る米国に、国境なき武力勢力が恐怖の拳を上げてチャレンジするようになります。また、米国が図面を引いた収益性と成長性を最大化するインセンティブ・デザインの暴走によって「100年に1度」の金融危機に世界が脅かされることになるのです。

前回の英文記事※2をご参照ください。

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