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人材開発の費用を真っ先に削る企業に未来はあるのか?(挑戦編)

GEに学ぶ、研修費の“実践的”な使い方

  • 永禮 弘之,長尾 朋子

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2009年7月1日(水)

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 日本企業が、不況で真っ先に削る経費を「3K経費」と呼ぶらしい。「3K経費」とは、交通宿泊費、広告宣伝費、交際会議費の3つだ。

 上記3つのほかに、人事のもう1つの「3K経費」が教育研修費。このところの不況で、リストラや採用抑制の渦中にある企業を中心に、コスト削減のため研修予算が見直されている。

 短期的なマイナスの影響が少なく、効果の即効性が高くない、と考えられがちな教育研修。採用費、時間外手当とともに、まず経費削減のターゲットになりやすい。長期的な視点で人材投資をしても、その投資リターンを得られるのはずいぶん先のこと。その前に、会社が傾いてしまっては元も子もない。つまり「背に腹は代えられない」という理屈で教育研修費は削られる。

 また、成果主義が日本企業に浸透して以来、会社は即戦力を求めて、社員の能力開発は自己責任とする風潮が強まった。コンプライアンス(法令順守)や内部統制など、組織運営上必要な知識を習得してもらう以外の能力開発は、社員の自己啓発に委ねる会社も少なくない。とくに、もともと学業優秀な人材を採用していると自負している金融機関は、この傾向が強い。

 人材開発責任者は今年度や来年度の教育研修の実施計画について、内容、量、金額の見直しを迫られている。

 日本の人事部長の代弁者、野々村さんが勤める中堅流通チェーンのマルコーでも、教育研修の見直しが「緊急対策プロジェクト」のテーマに挙がっていた。


(前回の「問題編」から読む)

厳しい今だからこそ問われる、企業の存在意義

野々村人事部長

 「経費削減の中でも、優先して取り組む人材開発課題は何か?」という質問に対して、今回のコラムに協力してくれている人事・教育研修の責任者、人事部長たちはみな「社員が企業戦略や組織の価値観を共有して自律的に判断、行動するための意識づけや、足元の閉塞感にとらわれず、周りを巻き込み元気にするリーダーシップ力の強化」を挙げていた。

 興味深いことに、今年6月に米国で開催されたASTD(アメリカに本部がある、世界最大の人材開発・組織開発の非営利団体)国際会議でも、米国企業のCLO(人材開発責任者)の座談会で類似の発言を聞いた。米国大手企業のCLOたちが口にしていたのも、「この不況下で力を入れていることは、オープンコミュニケーションの場を作り出すこと、事業戦略やバリュー(企業価値観)を組織に浸透させること、そして、核となるビジネスリーダー同士の協働を促す信頼関係の強化」だった。

 足元の環境が厳しいからこそ、企業はそもそもの存在意義が問われる。そして、企業の存在意義は、企業理念や事業戦略に言い表されている。普段から理念や戦略が現場の社員にまで浸透しているような優良企業であれば、あえて今さら騒ぎ立てる必要もないのかもしれない。

 しかし、そのような会社は少数派だろう。生き残りがかかっている有事の時には、存在意義を改めて組織の中で確かめ、組織を引っ張るリーダーたちを、理念や戦略の実現に向けて結束させることが大切だ。

ビジネスと教育を一体化させているGE

 「人材育成工場」と前CEO(最高経営責任者)のジャック・ウェルチ氏が自称した米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、教育研修に毎年10億ドル(約1000億円)を費やす。1社で、日本企業全体の教育研修費の2割を使っているわけだ。

 GEの研修費は驚くほど潤沢だが、その大半は、イニシアティブ(重点経営施策)を組織に浸透させたり、それを主導するリーダーシップを促したりするためのプログラムの開発や運営に費やされるようだ。従って、研修で学んだ内容は、現場で即実践されることが当然視されている。つまり、GEでは事業運営と教育は一体化していて、別物ではない。

コメント2件コメント/レビュー

私の経験では現業部門の人は本社人事のやることなどまったく信用していません。果たして本社にいながら現場に必要な人材のイメージがわくのでしょうか?人事といえどもただのサラリーマンです”人を育てる”などと傲慢な考えはいかがなものでしょう。”本社の人は現場を知らない”ということを前提に考えるべきではないでしょうか。(2009/07/01)

「野々村人事部長の歳時記2 人事部長100人とつくるコラム」のバックナンバー

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私の経験では現業部門の人は本社人事のやることなどまったく信用していません。果たして本社にいながら現場に必要な人材のイメージがわくのでしょうか?人事といえどもただのサラリーマンです”人を育てる”などと傲慢な考えはいかがなものでしょう。”本社の人は現場を知らない”ということを前提に考えるべきではないでしょうか。(2009/07/01)

企業側の担当者に聞いてみたいですが、就職氷河期の方々に教育訓練を国や自治体が施した後、雇いたいですか?と。雇いたいと答える人がどのくらいいるでしょうか。おそらくほとんどが新卒でまかないたいと思っているんじゃないでしょうか。35歳の職歴・スキルの乏しい人と22歳の新人なら、22歳の新人の方がコストもかかりませんからね、年功序列の日本なら。(2009/07/01)

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