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ちょっと待て、IPO。そして「イスラエルモデル」とは?

勇気を持って赤字を出そう

2009年7月7日(火)

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 前回も述べたように、このところベンチャーの元気がない。状況を整理すると、ベンチャーが上場した段階で息切れを起こし、ダウンしてしまったようにも見える。

 ベンチャーが上場する本来の目的を考えてみよう(目的には、資金調達以外にブランド向上などのマーケティング効果、取引における信用の向上、良い人材の確保などが挙げられる。中には銀行負債の社長個人保証対策な どもあるが、ここでは以下の2点について解説する)。

・目的その1
 新興市場は、既存市場への通過点である。規模は小さくとも早期に上場し、必要な資金を得てさらなる飛躍成長を目指し、既存市場へ移行するという考え方。

 一方、新興市場への上場意義があり、上場後の飛躍と成長は当然必要だが、既存市場へ移行することが必ずしも必要なのか、疑問である。

 米ナスダックなどは、IT(情報技術)ベンチャーが主に上場しているが、一方マイクロソフト、グーグル、インテルなどは、そのまま残っている

・目的その2
 上場時の調達資金だけでなく、その後も成長によって公開市場を活用して潤沢に資金を調達し、成長への投資を継続するという考え方。 果敢に公開市場を利用し資金調達を行い、事業拡大を行う。この場合は株価が継続的に上昇し、企業価値(時価総額)が増大していないと既存株主の利とならないため、上場後も成長を継続実現しなければならない。

 これは、上場だけが目的ではなく、上場という手段によってさらなる拡大を可能にする、ということにあると思う。しかし残念ながら、現実には現象として上場により体力を使い果たしてしまっている企業が多い。 または体力の有無は別として、成長の方向や戦略を、上場しても見出せないでいる企業も存在するのではないか。

 上場審査、監査などリスクについては厳しくチェックされるが、上場後の成長計画は一体誰が確認評価をしているのだろうか。この評価は、投資家への期待を左右することになるので実際難しいと思うが、新興市場の場合は この仕組みは必要ではないか。

本業を成長させなければ、意味がない

 上場しても、それによって得た資金を成長のためのコストとして利用できないことは、前回述べた。コストとして利用できないならば、会社を買って資産化してしまう、そして連結で売り上げ、利益(利益は、よくて微増か)を増大させる、という状況が見られる。

 会社を買収して事業拡大を行ったり、足りない部分を補ったりするという戦略は、上場によって多額の資金を得ているならば当然とも言える。しかし、本業をしっかりと成長させる基盤のない中での戦略としては、その成否は疑問である。

 企業買収にも、いろいろある。例えば、他事業展開のための買収。これは、本業に見切りをつけているのか、それとも単なる“浮気”か? 本業を補足するための買収もある。しかし、自己管理(成長コミットの実現)もできていない中で、買収した企業を管理できるのか。

 一方、会社を買収することにより売り上げを増大させるという安易(?)な事業成長の考え方が高じて、次のステップとして事業買収が本業になってしまった、という会社も、かつてはあった。

 これらは年商10億円足らずで上場を果たす会社の、多くのモデルとも言える。十分な体力のないままに上場したため、その後の成長を実現できない結果となっている。

 JVRの発起人であるアレン・マイナーと、「ちょっと待てIPOファンド」を作って、大きく成長できるグローバルベンチャーを育成しよう、と話したことがある。

 この「ちょっと待てIPOファンド」の対象とするベンチャー企業とは、下記のようなものだ。

(1) 大きく事業の成長拡大の可能性を持つ、テクノロジーまたはビジネスモデルを持っている企業
(2) 日本国内だけでなく、世界事業への拡大の可能性を持つ企業
(3) 経営者が世界展開のビジョンを持つ、または持てる企業
(4) 年商10億円レベルを実現し、実行能力を持つ企業
(5) 50億~100億円レベルまで成長し、体力をつけてから上場を目指す企業

 少しグローバルな観点から述べると、世界事業への拡大は極めて重要なことだ。上場を果たした企業を見ても、その大半が国内事業の領域にある。テクノロジー、ビジネスモデルが国内限定である場合も多く、これでは最初から大きな成長は無理である。

 例えば携帯電話モデル、ウェブの広告収入モデルなど、いずれも国内限定事業であり、その成長の限界は見えてしまう。

 また、創業経営者がグローバルな視点やビジョンを持っている企業が非常に少ないと感じる。上場を宣言し、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達をしているような場合でも、グローバル化の視野を持たず、またグローバル化のための戦略をグローバルに検討することもない(「グローバルに検討しない」というのは、例えば米国支社の戦略を、米国の社会を経験したことのない人が考える…といったことだ)。

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