• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第42話「常務が肩入れするのは、“仲良しグループ”だからでしょう」

2009年7月8日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

 ジェピー創業者で会長だった財部文治の未亡人、ふみが亡くなった。長い間心臓病を患った末のことだった。

 ふみの逝去で、ジェピーの周りでは様々な動きが出ていた。

 元専務の間中隆三はふみの息子でジェピー社長の益男に取り入って、自らの返り咲きを狙っていた。

 益男の妹の早百合は、父親の代から信頼している元経営コンサルタントの宇佐見秀夫に、ふみが遺言状を残していたことを伝えた。早百合は宇佐見に告別式での開封に立ち会ってもらいたいと頼んだ。

 ジェピー経理部の団達也部長のもとにもふみの訃報は届いた。一刻も早く病院に駆けつけたかった達也だったが、それは拒否された。会社には、イギリスのエジンバラ投資会社から契約の履行を促す電話があった。契約とは、デット・エクイティ・スワップ(Debt Equity Swap=DES)の実行だった。このDESが行われると、エジンバラ投資会社はジェピー株式の49%を取得することになる。

 一方、アメリカの投資ファンド、マインスリー社の日本支社長リンダは、ジェピーの知的財産を狙っていた。リンダは勤めていたニューヨークの投資銀行をリストラされた後、大手電子部品会社、UEPCにヘッドハントされた。そこでジェピーのことを調べる過程で、知的財産の価値の大きさと達也の存在を知った。

 UEPCのCEO兼会長のマイケル・ウッズは、マインスリー社CEO兼会長のロバート・グラハムと親友だった。この2人は話し合ってリンダをマインスリー社の日本支社長にし、ジェピーを乗っ取ることを画策していた。

 

ニューヨーク・マインスリー本社

 アメリカの投資ファンド、マインスリー社CEOのロバート・グラハムは、険しい目でリンダに容赦ない言葉を投げつけた。

 「きみの能力を買ってUEPCから来てもらったが、どうやら買い被っていたようだ。きみは、しょせん、机上の空論を偉そうに吹聴することに長けた秀才に過ぎない」

 グラハムはリンダを面罵し続けた。リンダは黙って耐えた。あと一歩でジェピーは手に入るのだ。それに、この仕事を成功させることが、自分のプライドを失わない唯一の道であることを知っていたからだ。リンダはひたすらグラハムの怒りが収まるのを待った。

 「ミスター・グラハム。もう一度だけチャンスを下さい」

 無論、グラハムとしてもこの案件から手を引くわけにはいかない。リンダを辞めさせたところで、代わりの人材は見つかりそうもない。グラハムが置かれた立場を、リンダはよく分かっていた。

 「次もしくじったら即刻、辞めてもらう。私はきみをニューヨークから追放する。いいね。早く日本に戻って仕事をすることだね」

 グラハムはそう言うと、リンダを部屋から追い払った。

東京の病院

 病院に着いた間中は、既に到着していた益男に駆け寄ると、益男の両手を握った。

 「益男君。お母さんのことは早百合さんから聞いたよ。残念だったね。だが、人は誰にも寿命がある。生まれ、生き、死ぬのは自然なことなんだ。気を落とすんじゃない」

 「前に倒れた時、もう覚悟はしていました」
 益男は拍子抜けするほどあっさりと答えた。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

一覧

「第42話「常務が肩入れするのは、“仲良しグループ”だからでしょう」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏