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「400年技術は保守的。でも、行動ひとつで次の進化が見える」

有松絞りで国際会議を開催。伝統魅せられ世界20カ国が集まる

  • 秋元 志保

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2009年7月9日(木)

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江戸庶民に愛された「有松鳴海絞り」は人気の土産品

 愛知県名古屋市の有松地域で守られている「有松鳴海絞り(ありまつなるみしぼり)」。絞りは徳川家康が江戸幕府を開いた慶長13年頃、東海道に面した尾張藩の特産品として全国に広がっていきました。その繁盛の様子は、安藤広重が描いた版画をはじめ多くの浮世絵の中にも登場するほどでした。

村瀬 裕(むらせ・ひろし)氏
1952年、愛知県生まれ。77年鈴三商店設立。96年、屋号を「スズサン」と改名。92年から開催された「国際絞り会議」の実行委員として活躍。JAPANブランド育成事業ではこれまでなかった有松鳴海絞りを使った製品を作るなど、新しい絞りの世界を広げている。また、絞りの楽しさを知ってもらおうと絞りの体験実習や講習会を開くなど啓蒙活動にも力を入れている。
愛知県絞工業組合理事、ワールド絞りネットワーク(WSN)事務局長、有松絞りむつみ会副会長

 それから400年余り。有松鳴海絞りの製造・販売を行うスズサン代表の村瀬裕さんもこの貴重な伝統を受け継ぐ1人です。村瀬さんを含めた多くの絞り職人たちや先人たちの努力により、有松絞りは「有松鳴海絞り(ありまつなるみしぼり)」と名称を変え大切な伝統的工芸品として継承されていきました。

 国道1号線、旧東海道沿いにある白壁作りの古い家屋が残る有松の街並みを通ると、この地を行き交い、旅路を急いだ江戸庶民たちの文化や風土を色濃く感じます。古びた大きな蔵は繁栄のしるし。当時と同じような街並みを歩いていると、あまり身近でなかった絞りという伝統的工芸品にどんどん親しみを感じるようになりました。

 さらに、街道を抜けた先で見つけたのは「桶狭間古戦場」という看板。織田信長が今川義元を破ったあの桶狭間の戦いの跡地です。看板を見た瞬間、教科書でしか見たことのない歴史の世界が、色や形を持ったリアルな出来事としてグッと近づいてきました。

 江戸時代の街並み、戦国時代の戦場跡地。

 歴史の空気に触れた私の気分は一気に盛り上がり、これからどれほど一本気で昔気質な職人さんから話が聞けるのかと期待も高まります。有松鳴海絞り職人の村瀬さんがいる「スズサン」はもうすぐ。

 ところが、到着後目に飛び込んできたのは、部屋を横切る外国人の女性でした。

 実はこの女性、村瀬さんの下で絞り技術を学んでいるドイツ人の留学生だったんです。

3つのパターンから100以上の技法を生み出す

 絞りは、布を寄せて糸で括り、その布を染液につけ、染めるという染色技法です。絞りの模様は布を糸で「括る・縫う・巻く」という3つの基本的な動作により作り上げられます。布を寄せながら糸で括るので、凹凸感(シワ)のある布に仕上がります。糸で括った部分は染液が浸透せず白く残り、それが糸を抜いた時、美しい模様となって表れるのです。

絞りでできたシワを生かした布
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