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ベンチャーにJ-SOXは不要。社長の暴走を止めるルール作りを

2009年7月14日(火)

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 新興市場の課題を解決する1つの議論として、J-SOXの是非論がある。今回はまず、J-SOXの功罪について見ていきたい。

 新興市場への期待を大きく下落させた原因に、粉飾決算、循環取引などにより、企業が信用を失ってしまったことが挙げられる。こういった不祥事への対策として、J-SOXが登場した。

 私はこの方面の専門家ではないので、J-SOXの詳細を述べることはできないが、ベンチャー企業の社長として、また上場予備軍を多く見る立場としてJ-SOXを見ると、ベンチャー企業を強くし、成長のエネルギーを高める基本システムとしては機能していないと思う。

大企業に必要なJ-SOXだが

 成長型ベンチャー企業の成長を支え、体力を強化するシステムでないとすれば不要だと言われても仕方ない。

 「J-SOXは本来そういうものではない」と、専門家の方から非難されてしまいそうだが、100人足らずの小企業でJ-SOXが会社の成長にプラスとなっていないとしたら、J-SOXを見直し即刻改善をすべきではないか。

 大企業の場合は、多くの部門組織から成っている。皆を引っ張りリードする部門、時としてブレーキを踏み方向を是正する部門、燃料を供給する部門、ひたすら燃料を消耗しエネルギーへ転換する部門など、各部門が個別の目的と方向で走っていても、全体が前進している場合は良いだろう。

 しかしベンチャー企業では、ひたすらアクセルを踏み、突っ走る活力が必要だ。ブレーキや方向を是正する機能も必要だが、まずはスピードを要求されている。また、エネルギーを蓄積した燃料から転化するような部門はなく、直接エネルギーを外部からの補給に求める。燃料はすぐにカラとなる。

 日本証券業協会の委員会が、今年5月に「新興市場のあり方を考える委員会報告書~新興市場の機能と信頼性の回復に向けて~」という提言を発行した(詳細はこちら)。

 昨年10月~今年4月までの期間、有識者によって委員会が持たれ、提言書としてまとめられている。テーマとなっている課題の整理は、各専門家だけあって様々な課題が非常によく整理されており、参考になる。しかし残念なことに解決策、または証券業協会としてのアクションがない。

 厳しい言い方をすれば、まるで“ひとごと”のようだ。これだけ危機的状況にもかかわらず、どうして何もしようとしないのか理解に苦しむ。現場を知らないが故に、客観的な課題整理で終わってしまっているのではないか、と想像する。ぜひもう一歩踏み込んで、自分たちの問題として解決への自己努力をしてほしい。J-SOX(当報告書では内部統制)についても「…検討を要請する」と数行で終わっている。

 新興市場に上場した企業の規模(上場時)を見てみると、従業員数は2007年で110人、2008年で114人(中央値)。特に成長著しいWeb2.0企業17社の場合55人であり、会社設立から上場までの年数はわずか5年である(いずれも中央値)。

 このように若い55人規模の会社であれば(全業種平均でも110人レベルなら)、社員全員の顔を見ることもでき、会計経理管理部門は55人で2~3人、110人レベルで5人前後が標準サイズではないか。このような小さい所帯に大企業が必要とするJ-SOXの仕組みが必要なのか、と思う。このような規模の会社では、契約、売り上げ、入金、発注、支払いなどのプロセスを、場合によっては1人で行っている場合もある。

 J-SOXの目的や考え方について、文句を言うつもりはない。企業にとって過ちが起きないようなプロセスとルールを決め、それを順守する運用方法、そして過ちを発見できる仕組みなどは、小さい企業でも必要である。

 しかし上場予備軍となった段階から大企業に類するシステムを導入することは、非常に荷が重いような気がする。上場した後も同様に、まだまだ企業のレベルが小さいので、荷が重いのではないか。

 ただ筆者は、荷が重いか軽いかと、J-SOXの是非論を言いたいわけではない。J-SOXにこだわりすぎることで、

・若いベンチャー企業の活力とスピードに影響するのではないか
・過ちを防ぎ、発見する仕組みはもっと簡単にできるのではないか
・会計経理などの管理部門もビジネスの担い手である(管理専門人員ではない)のではないか

 といったことを、ぜひ専門家の方々に研究していただきたいと思う。

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