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第46話「あなたの名前が卒業生名簿に載っていない、と言うんだ」

2009年8月5日(水)

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前回までのあらすじ

 ジェピー創業者の未亡人で大株主の財部ふみが亡くなった。ふみは生前、葬儀は身内だけで済ませてほしいと娘の早百合に言っていた。早百合もそのつもりで、告別式の日取りを決めていた。

 ところが、ジェピー社長でふみの息子の財部益男は、ジェピーに返り咲きたいとねらっている間中隆三にそそのかされ、早百合に相談もせずに告別式の日程を延期し、その日のうちに臨時株主総会を招集することを決めてしまった。

 ジェピーの株式はふみが60%を所有。間中が25%、益男が10%、そして従業員持ち株会が5%を所有していた。ふみの株式はすべて益男が相続する。ジェピー株式は、イギリスのエジンバラ投資会社とのデット・エクイティ・スワップ(Debt Equity Swap=DES)の契約に基づき、49%がエジンバラのものとなることになっていた。

 この49パーセントの株式は、リンダが務めていたアメリカの大手電子部品会社、UEPC社に譲り渡されることになっていた。それを決めたのは、ジェピーの経理部長、団達也の留学時代の同級生、ジェームスとリンダだった。

 8月10日。ホテルヴァレーの貸会議室に、続々と関係者が集まった。株主は社長の益男、間中、従業員持株会からは木内、そしてエジンバラ投資会社のジェームスだ。この日、株式を譲り受けることになっているUEPC社からは、日本支社長のアラン、本社CEO代理で社外取締役のキース、そして、仲介した投資ファンド、マインスリー社のリンダだ。

 4時00分。益男は臨時株主総会の開催を宣言した。

 間中は益男と何度も打ち合わせていた。どんなハプニングが起きないとも限らない。心配でならないのだ。だが、間中には自信があった。できれば、エジンバラが持つ49%の株式を買い取りたい。だが資金力はないから譲渡を認めざるをえない。しかし、持株会は木内が仕切っているし、益男はふみから株式のすべてを相続するから、全体の51%を押さえることになる。取締役の過半数を固めればジェピーから追放されることはない。これからは、UEPCのいいとこ取りをすればいい。

 「第一号議案は取締役解任及び選任の件です」
 議長の益男は別人のような張りのある声で間中が書いた原稿を読み上げた。

 「取締役の団達也は、善良なる管理者の注意義務を怠り、ジェピーを我が物にしようと画策しました。よって団達也の解任につきまして採決を取りたいと思います」

 異議なし、と大声を張り上げたのは間中だった。しかし、ジェームスは複雑な面持ちで沈黙を続けた。

 「ジェームスさん。何かご意見は?」
 益男が聞いた。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第46話「あなたの名前が卒業生名簿に載っていない、と言うんだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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