初回の群馬県を振興する「多国籍軍」は、たくさんの方々に お読みいただき、ありがとうございました。
その後、キャニオニングにはチャレンジされましたか? (笑)。まだ未体験の方、ツアーは10月まで開催されておりますので、ぜひ今年中に体験してみてください。ここまで勧めたくなる理由が、きっと分かると思います。
さて、今回と次回は、未来の仕事に欠かせない要素を2点、新たな事例を交えつつ、ご紹介したいと思います。
1つは「国境はハードルならず」、そしてもう1つは「ワラジは2足以上履け」。今回は、1つ目の「国境はハードルならず」 について、私の身近で起きて、びっくりしたビジネスモデルを取り上げます。
私は体験ギフト事業を日本で展開しています。昨年、突然、フランス大使館から連絡がありました。「一体、何だろう」と思ったら、フランスの同業者が日本への進出を検討していたのです。我々と一度「ミーティングをしたい」とのことでした。
そこで、フランス大使館で1時間ほどディスカッションの場を設けました。その後しばらくして、彼らは日本に支社を設立し、既にサービスをスタートさせているようです。
その時は私も「大使館にはこういった使い方があるのか」と勉強になったのですが、彼らのやり方はまだ序の口。世の中には大使館を使ったり支社を設立したりせず、もっともっとフットワークの軽い形で国境を全くハードルとは捉えていない人たちがたくさんいるのですから。
尋常でないフットワークの軽さ
ロンドンにPants to Poverty(PTP、パンツ・トゥ・ポバティー)という下着メーカー、より正確に言うと パンツメーカーがあります。
Povertyという名前は、従来は発展途上国の人々を低賃金で働かせて栽培していたコットンを、インドの複数の農家と適正な価格で取引するフェアトレードによって生産・調達し、「インドの農家にも幸せを」という意味を込めて付けられたもの。そして、肌に直接触れる下着だからこそ、農薬や化学肥料を一切使用しないオーガニックコットンパンツの製造・販売を行っています。
そしてこのPTPのフットワークの軽さが尋常ではないのです。ロンドンにいるスタッフは総勢4人。2005年に事業を立ち上げました。
それからわずか4年後の今年7月9日。イギリスをはじめとしてヨーロッパ各国やアメリカ、オーストラリアなど、なんと16カ国で同日にPTPのパンツをプロモーションするイベントを展開するという試みに挑んだのです。もっとも実際にはいくつかのトラブルがあり、開催日程に若干のばらつきが出てしまったようですが。
同日イベントの開催地には、東京も含まれていました。イベントを仕切り、その後に現地販売代理店として日本でPTPパンツの販売を一手に引き受けることになったChieさんです。話を伺ってみたところ、小規模な組織でグローバルに展開できる理由が少しだけ見えてきました。
Chieさんは、27歳の女性。東京都港区にあるベビーマッサージなどを提供するスタジオで働くと同時に、同スタジオのインターネット通販によるセレクトショップの運営にも関わっています。新たな商品として、おしゃれなオーガニックコットンの下着を探していたところ、PTPのサイトに辿り着きました。
「オーガニックコットンにも関わらず、高いデザイン性に加え、貧困問題や環境問題の解消を兼ね備えた事業モデルに共感しました」。Chieさんは、ウェブサイトを見て、一目で気に入ったそうです。
次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



ソウ・エクスペリエンス社長。1981年東京生まれ。2004年3月に慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中の2003年、松下電器産業(現パナソニック)の事業プランコンテストで優勝、出資を受ける権利を得るが、起業の道を選び、2005年に体験型ギフトを扱うソウ・エクスペリエンス(東京都渋谷区)を設立。










