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月3万円の仕事を10個持つ生き方

ワラジは2足以上履け

2009年10月1日(木)

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 前回、国境の壁を何とも思わないパワフルな下着メーカーであるPants to Poverty(パンツ・トゥ・ポバティー)を取り上げたところ、販売サイトのアクセスが急伸したという、喜びの報告をスタッフの方から頂戴しました。

 お買い上げいただいた方もいらっしゃったようです。私も愛用しており、この肌触りの良さは病みつきになります。

 さて、私は「未来の仕事」を考える要素として、「国境はハードルならず」「ワラジは2足以上履け」という2つの視点がヒントになると思っています。今回は、「ワラジは2足以上履け」について話を進めていきます。

 Cho君。この名を覚えていていますか? こちらも前回、取り上げました。私の経営するソウ・エクスペリエンスのスタッフがお世話になっているインターネット英会話レッスンの先生です。ところがCho君は、フィリピンの外資系金融機関に勤めるビジネスマンでもあったという話でした。

 話を聞くと、社内コミュニケーショントレーナーとしてフルタイムで働いているそうです。とすると、英会話レッスンは副業なのでしょうか・・・。

 副業と言えば、「収入を補う」「独立の準備」といったイメージです。ただCho君が勤務しているのは世界的に有名な金融機関ですから、収入に困っているとはあまり考えられません。ですので、「金融機関である程度稼いだ後は、英会話レッスンを本業にしたいと考えているのだろう」と漠然と思っていました。

 でも、違いました。Cho君は、こちらの疑問に、こんな風に回答してくれました。

 「発展途上国で“いい仕事”と言えば、金融か製造業。私は世界の人とコミュニケーションができる環境にいて、幅広い視野を持てています。ただ、これはあくまでもビジネスに限られた話です。私は各国の文化やアートに興味があって、もっと各国の人々の生活を知りたいんです。そんな思いから、英会話レッスンを始めました。各国の生徒さんと会話でき、そこからモノの考え方やカルチャーを勉強できるのは、とてもエキサイティングなんです」

 各国の文化を知りたいのであれば、旅行という手段がまずは頭に思い浮かびます。そうではなく、Cho君が仕事として関わる道を選んだために、我々からすると破格に安い料金で高品質のレッスンというサービスを受けることができる。Cho君にとっても得るものがある。

 こうした生き方を知って、思うことがあります。これまでの価値観では、「1つの仕事に打ち込んで、それを収入源とする」というのが常識だったと思います(企業によっては、副業禁止規定があることも理解していますが・・・)。

 確かに、モノが足りない社会であれば、みんなにどんどん提供していくという仕事は、収入も増えて満足感を得られたと思います。しかし、モノが満ちあふれているところに、無理に押し付けようとしても、なかなかうまくいくはずはありません。

 本当に1つの仕事だけに固執する必要があるのだろうか。社会が必要としているビジネスを、いくつか掛け持つ――。そんな発想があってもいいのではないでしょうか。

 個人の立場に置き換えてみても、1つの収入源に頼っているよりも、2つや3つの収入源を確保しておいた方が安心でしょう。いつ会社が潰れてもおかしくないこの時代、「生活の安全保障」という観点から考えると、もしかしたらリスクを分散しておくことは、はるかに安定性をもたらしてくれるのかもしれません。

 私のこんな考えを、実践している人がいます。「次世代の2足のワラジ」とも言うべき新しいライフスタイルを築こうとしているのは、10足のワラジを目指す伊藤洋志さんです。

趣味も自宅もビジネスに

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 東京都世田谷区にある土間付きの古い一軒屋。伊藤さんはここを生活と仕事の拠点にし、活動しています。この一軒屋は伊藤さんが2年ほど前に不動産屋を通じて見つけたもので、当時は誰も住んでおらずボロボロの状態でした。それを、仲間に手伝ってもらいながら自分たちの手で住める状態にまで修繕したようです。

 今は居心地のよい場所になっていて、伊藤さんを含めて数人が住んでいるだけでなく、 ギャラリーとして絵描きさんや写真家さんなどにも貸し出しているとのこと。そう、これが伊藤さんの「1足目」のワラジ。まだ家賃を相殺できるほどにはなっていないそうですが、月によっては半分くらい賄えるとか。

コメント15件コメント/レビュー

今年56才になりますが、10年程前から私も既に4足のワラジを持続中です。一つの仕事、会社に縛られると「不要なこだわり」が多々発生します。これが体にはとても悪いですね。以前は一つの会社で猛烈に頑張ったせいで精神・肉体共に変調をきたしました。今は複数の自分に切り替える事で「必要なこだわり」と「不要なこだわり」が見えてきます。3年の準備期間を得て、今月もう一つワラジを持てそうです。趣味の分野です。(2009/10/11)

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今年56才になりますが、10年程前から私も既に4足のワラジを持続中です。一つの仕事、会社に縛られると「不要なこだわり」が多々発生します。これが体にはとても悪いですね。以前は一つの会社で猛烈に頑張ったせいで精神・肉体共に変調をきたしました。今は複数の自分に切り替える事で「必要なこだわり」と「不要なこだわり」が見えてきます。3年の準備期間を得て、今月もう一つワラジを持てそうです。趣味の分野です。(2009/10/11)

これが非常に難しい処でして、特技の無い自分に何が出来るかと考えると、お手伝い業しか見当たらない。「毎日が日曜日」と言う映画が有りましたが、猫の手的な便利屋さんです。  で、具体的に何をしてみるか? 出歩くのが不便になったお年よりを連れて出歩く。 買い物に付き合う。 うん、これなら出来そうだ、と思ったら、車に乗せるなら、タクシー以外はお客を乗せてはいけないと言われました。 ホントなの?? 商売の障壁は高そうだ。(2009/10/06)

「どこでも」「誰にでも」適用できる話ではないですが、こうした考え方も重要な時代だと感じます。3万円利益をx10は、実際にはなかなか難しく、現実的にはChoさんのように「がっちりとした本業+α」という感じでしょうか。ローン返済のために休日も本業とは別にアルバイトを持って働く・・・というような形ではなくて。求人に頼らない仕事というのも重要ですね。企業として考えれば競合のいない分野が理想であり、お客さんを待つのではなくお客さんを創り出すというのはドラッカー先生のいう「顧客を創造せよ」にばっちりはまるわけですし。(2009/10/02)

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三品 和広 神戸大学教授