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俯瞰できれば、いかにあなたが“振り回されていた”か分かる

【最終回】戦略立案のプロは“流されない”

2009年10月5日(月)

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 この連載の中で紹介した「10年後のシナリオ」を、皆さんと一緒に作成したいと思います。作成のプロセス、そして結果は、この日経ビジネスオンライン上でご紹介する予定です。内閣府副大臣の大塚耕平さんも参加(予定)して、皆さんと一緒に議論します。詳細は文末のこちらでご案内しております。


 あらためて、今まで作成してきたものを眺めてみましょう。

A4のペーパー1~2枚の「これからの世界そして日本に関する相場観」
   
同じくA4のペーパー1~2枚の「自社の本質的な強みと弱み」、そしてそれに対する、A4のペーパー数枚の「10年刻みで世代毎の意識や価値観の違いに関する補足」
   
以下図表、および各シナリオ毎にA4のペーパー数枚で表現される「10年後の外部環境に関するメインシナリオそしてリスクシナリオX、Y」
   
画像のクリックで拡大表示
ボリュームは人により大きく異なるであろう以下のような項目を網羅する「10年ビジョン」
   
企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表
   
10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現
   
KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす
   
企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す
   
・ ビジョンを実現するために必要となるパラダイムの転換
   XXからYYへ、PPからQQへ、といったものを、3つくらい(多くて5つ)並べる。
   
・ 主要課題に関してその背景と現状の理解
   ビジョンを実現するための主要課題とその背景を、現状との対比で示す。
   
・ 企業活動の主要要素別ギャップ
   企業活動の主要要素別に目標と現状のギャップを、それぞれ上限5項目程度で示す。箇条書きレベルでOK。
   
・ 事業戦略
   柱となる売り上げ、収益、事業分野の数字に関して、現状から10年後の目標値まで時系列で数字を示すとともに、前提となったその拡大と絞り込みに関する戦略レベルの方針や主要なイベントを記述。
   
・ 分野別戦略
   企業活動の主要要素別に現状から10年後の目標値まで、時系列的に示すとともに、前提となった戦略レベルの方針や主要なイベントを示す。一般的には、人材、組織、技術、製造、マーケティング・販売、物流、購買、経理・財務、ブランド、IT・・・これをある程度のまとまりに括るか、重点部分を取り出すか、押し並べて述べていくか、ここは好みと議論が分かれるところです。
   
・ 実行計画
   実行にあたっての体制、プロジェクト管理、投資計画、次フェーズ(直近1年程度)の実行計画、その他留意点、など。

 ここまでまとまったものを書き記したあなたは、無事、「目線を上げて経営戦略を書いてみた」わけです。それでは、「俯瞰的な視点とぶれない機軸」は完成したでしょうか?

 残念ながら、これで解放というわけではありません。

 まず、未来という不確実性の中で仮説のもとに構築した、シナリオ、ビジョン、そして戦略は、作ったその瞬間から陳腐化が始まります。そして過去も同様に、整理した瞬間から陳腐化が始まるのです。なぜなら過去に関しても常に新たな発見がありますし、その解釈は常に新しい事実によって変わっていくからです。

 それでは、俯瞰的な視点とぶれない機軸に関してはどうでしょう。確かに、この一連の旅を終えたあなたは、以前に比べればはるかに俯瞰的な視点を持ち、そしてぶれなくなっていると思います。

 しかし、それらの変化はあくまで相対的なものであるし、作成したその日から、マイビジョンやマイ戦略は陳腐化していくことを考えると、基軸だって根元が緩んで来るでしょう。

 陳腐化を避け俯瞰的な視点を広げ、ぶれない機軸をより確固としたものにしていくためには、マイビジョンやマイ戦略を日々磨いていくしかありません。

 折角作成したものを人にパクられるのが嫌だとか、恥ずかしいだとか、そのようなことを考えては、折角ビジョンを作った意味がありません。オープンソースをはじめ、製品開発や技術開発ですら多くの人によるコラボレーションで進められていく時代、そのような閉鎖的な考え方とは決別しなくてはなりません。

 開放系で、日々マイビジョンを磨いていく、今回は、そのための方法を中心に説明していきたいと思います。

身近な人を活用する

 まずは同じ会社に所属する人たちとの議論が大切でしょう。同じ職場に働く者たちの間で、良いコミュニケーションの材料にもなるし、お互いの新たな面が発見出来るかもしれません。

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「俯瞰できれば、いかにあなたが“振り回されていた”か分かる」の著者

大上 二三雄

大上 二三雄(おおうえ・ふみお)

エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役/北九州市 参与

1981年東京大学工学部を卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。企業の戦略、オペレーション、IT、アウトソーシングを中心にしたさまざまな企業改革に従事。事業開発グループ統括パートナーとして事業開発・ベンチャー投資の責任者を務めた後、2003年に退社。現在、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役。他に北九州市参与、立命館大学MBA客員教授、東京大学EMPアドバイザー、ISL幹事などを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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