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【最終回】今だからこそ、経営に「道徳資本主義」を

2009年10月22日(木)

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 私はある上場企業の社内「経営塾」の講師を勤めています。幹部候補の育成のために社長主導で立ち上げられたこの取り組みは、各週の土曜日を利用する年度プログラムとして実施されています。

 中間管理職である塾生は、それぞれの分野に精通している専門家ですが、経営の指揮を執るには、各分野の領域を超える会社全体だけではなく、世界の多様で複雑な動向に視野と意識を広げる必要があります。スペシャリストに留まるだけでは経営者は務まらず、いわばスーパー・ジェネラリストへ転身しなければならないということを、社長が次世代の幹部候補に求めているのです。

 もちろん、経営者として成功するためには、経営課題にフォーカスしたうえで、実行可能な解決案を執行し、測定可能な結果が求められます。ただ、事業のすべてが理論的なモデルに落とし込めるわけではなく、前例に従ったハウツー的な研修プログラムだけでは、経営者を育成するのには足りないのです。

前回の英文記事※1をご参照ください。

 多様化が進む中で、これからの経営者は、ますます広範囲にわたる不確実な情報を消化する必要があります。当時者が置かれる状況や価値観によって、複数の解決案がある可能性があります。経営は確実な「科学」ではなく、「アート」です。「リベラル・アーツ」という教養学は、「古き」に親しみながら「新た」を拓くための栄養剤になるのです。

 もちろん、このような教養を学ぶことは職場では困難です。日常から離れたところで、通常は考えないことについて考える機会が必要です。私が塾で担当するコマでは、塾生の間でのディスカッションのきっかけとして、渋沢栄一の『論語と算盤』を題材として活用しています。「道徳資本主義」を現在のビジネス環境に応用する際に必要なことは、一言でいえば、「善いことする」だけでもなく、「お金儲け」だけでもない。これらを「持続性」のための両輪と考えることがカギになります。

 塾の親睦会で、四十代の塾生が、ビールを片手に笑顔でつぶやきました。「出合えた良かった…論語」と。

 この塾生は、建設・不動産分野を担当する、まさに企業戦士。厳しい環境で激務の日々を送る中で、昔の時代の思想と触れ合う機会は、会社からこの塾の塾生として選ばれなかったら、あり得なかったのでしょう。

前回の英文記事※2をご参照ください。

コメント1

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