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不祥事から7年、経営危機に陥った社長がしたこと

「ダスキン再生」の課程を検証(前編)

  • 永禮 弘之,秋元 志保

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2009年12月7日(月)

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 家庭用モップ・マットのレンタル、ミスタードーナツ事業などをフランチャイズチェーン(FC)展開している株式会社ダスキン。今回は、FC事業のビジネスモデルや、創業者、鈴木清一氏が掲げた「祈りの経営」を原点とした経営理念を軸に、過去の不祥事からの再生に至るまでの取り組みについて、伊東英幸会長にお話しを伺いました。

【会社概要】
株式会社ダスキン
1963年創業。東証1部上場。家庭用モップ・マット、業務用品・家庭用品のレンタル、ミスタードーナツなどの事業をFC展開し、日本のFCビジネスの草分け。売上高1885億円、経常利益144億円、社員数1987名(2009年3月期、社員数を除き連結ベース)。創業者、鈴木清一氏が「道と経済の合一」を目指す「ダスキン祈りの経営」を提唱。

不祥事がなくても会社は曲がり角をむかえていた

伊東 英幸(いとう・ひでゆき)氏
株式会社ダスキン 代表取締役会長
1943年生まれ。68年株式会社ダスキン入社。87年経理本部予算管理部部長、94年生産本部管理本部本部長、99年取締役支社運営本部本部長に就任。2002年常務取締役クリーンサービスカンパニーカンパニー社長を経て、同年11月代表取締役社長に就任。2009年4月、代表取締役会長就任。現在に至る

 2002年、ダスキンは事業のひとつ「ミスタードーナツ」による非認可添加物混入が公となり、大きな曲がり角をむかえていました。当時役員だった私は、この不祥事だけでなく、会社全体にもっと深刻な問題が起きていると感じていました。

 そう感じたのは、指示を待つ社員がとても多かったからでした。起きていることを自分の課題として解決していこうというよりも、指示通りに一生懸命やる。そういった様子が垣間見えていたからかもしれません。

 また、フランチャイズ(以下FC)というビジネスの仕組みの良さと、加盟店の日々の努力に支えられていたにも関わらず、右肩上がりの成長の中で、顧客にとっての自社の存在価値を忘れ、自己都合を優先する会社になっていたのではないか。

 不祥事が発覚しなくても、お客様の信頼に応えられない会社になっていたように思います。

 実は、私は責任を取って会社を辞めるつもりでいました。けれど、ある加盟店オーナーの方から「加盟店には20万人の人が関わっている。役員全員が責任を取って辞めるのは、無責任ではないか」というご指摘をいただいたのです。

 その言葉が頭にこびりついて離れませんでした。

 会社が対応に追われていたある日、突如私に社長就任の話が持ち上がりました。私自身非常に悩みましたが、覚悟を持って社長に就任することを決めました。

 それは、「今までの慣習にとらわれず改革し信頼回復に尽くす。そして、これからの起きる問題はすべて責任を取る」という覚悟です。

 けれど、地域住民のみなさまはもちろん、FC加盟店からも「問題を起こしたのはダスキン本部で加盟店ではない」といった本部への不信や反発は想像以上でした。

 FC事業は、投資額を抑えながら、短期間でサービスや店舗を拡大することができる良さがあります。大きな投資負担を負わずに事業を拡大することができるため、近年、新興企業も含めて多くの企業が、サービス業や飲食業で広く採用している事業モデルです。

 実際の店舗運営やサービス提供は、FC本部ではなく、本部とFC契約を結んだ加盟店が行います。そのため、FC本部は顧客や店舗現場の実態に疎くなり、売り上げや店舗数の伸びといった結果だけに目を奪われるリスクがあります。

 伊東さんはダスキンの再生を担って、常務取締役から社長に抜擢されました。伊東さんをトップにすえたのは、中坊公平氏が委員長を務める委員会でした。

 当時を知る経営幹部は、「伊東さんは、当時の経営陣の中で最もクリーンな人柄の人でした」と、振り返っています。

 顧客や店舗現場の実態から乖離してしまったことが不祥事の根本原因と考えた伊東さんは、自ら店舗現場を回り、現場スタッフや加盟店の経営者と対話することから、再生をスタートさせました。現場を回る伊東さんが直面したのは、本部に対する不信と未来への不安です。

 伊東さんは、「再生のカギは、失った信頼を回復すること。現状をきちんとつかんで今後の方向性を示すこと。この2つである」と考えました。そして、信頼や方向性の拠り所になるのが、創業以来の経営理念の根底にある「金儲けだけを目的とした会社ではなく、世の中のお役に立つような道と経済の合一を願う」ことを、今一度徹底することだと悟ったのです。

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牛島 信 弁護士