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キムチ、カレー、トマト――“無国籍”化する鍋

最大公約数の満足を追求する

  • 子安 大輔

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2010年2月24日(水)

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 3月も目前に迫り、東京では春を感じさせる日も出てきました。季節と食べ物には密接な関係がありますから、皆さんの中では冬の食べ物の代名詞とも言える「鍋料理」(以下、鍋)を食べる機会も、少しずつ減ってきた頃でしょうか。

 毎年冬になると、メディアはこぞって鍋の特集を組みますし、人々が鍋について話をしている光景もしばしば見かけます。海外の状況までは分かりませんが、私たち日本人にとって鍋というのは、単なる料理の1ジャンルを超えて、心の奥深くを刺激する、ある種の「ソウルフード」と言えるかもしれません。

 寒い季節に体が温まるからという理由以外に、これほどまでに鍋が食べられているのは、なぜなのでしょうか?

 まず、主婦をはじめ家庭で料理を作っている人にとっては、「楽だから」というのが大きな理由として存在するようです。確かに鍋はほかの料理と違って、食材を切ったりするだけで下準備を済ませることも可能です。また、出し汁を取ったり、スープを作ったりする時間がなかったとしても、各食品メーカーから鍋の素やタレの類もたくさん発売されていますので、忙しい時には大助かりでしょう。

 さらに、鍋はそれ以外におかずがなくても完結できるメニューですし、最後にごはんやうどんを入れれば「シメ」までをカバーすることができます。つまり、食卓に上る料理の品数を、あまり気にしなくて済むわけです。

優れた「機能」を持つ

 鍋が人気なのは、家庭の食卓に限りません。昔から、ふぐやすっぽん、ちゃんこ、すきやきなど鍋の店というのはたくさん存在しましたが、この数年、鍋を名物にした飲食店の数が非常に増えています。

 これには理由があります。飲食店にとって鍋というのは、「味のばらつき」をあまり心配する必要のない料理なのです。微妙な火加減や塩加減が味を大きく左右する料理の場合、料理人の存在が不可欠ですし、たとえ料理人を揃えても、それぞれの力量によってブレが出てしまいます。

 しかし、鍋の場合、素材とレシピさえしっかりしていれば、ある程度までは味を安定させることが可能です。一流の料理人でなく、たとえ入ったばかりのアルバイトスタッフが作っても、それなりのレベルに仕上げることができるわけです。

 ですから、飲食店の経営者にとっては、料理人の確保という問題で頭を悩ませることも減りますし、また仕組みさえできてしまえば店舗展開も容易になるのです。

 一方、飲食店において利用客の立場から見ても、鍋にはメリットがあります。それほどの内容とも思えない鍋が、店によっては1人前で千数百円、場合によっては2000円以上もして、一見高く感じられることがあります。

 しかし、先に書いたように、鍋を食べる場合には、それ以外の料理をあまり必要としません。よって、最終的にはそれほど高い金額を支払うことなく、外食を楽しむこともできるのです(もちろん高級食材を使った鍋の場合には、それなりの支払いを覚悟しなければならないのは言うまでもありませんが・・・)。

 つまり、鍋とは「簡潔」かつ「完結」な料理と言えるかもしれません。

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