皆さんは、「食べログ」を使っていますか?
ご存じない方もいるかと思うので、簡単に解説をします。「食べログ」とは飲食店に関して、一般生活者の評価(クチコミとランキング)が一目で分かるウェブサイトです。運営するのは、価格比較サイト「価格.com」なども手がけるカカクコムです。
2005年3月にサービス開始とありますから、ちょうど丸5年が経過したことになります。現時点で掲載店舗数57万、クチコミ数130万、月間利用者数はパソコンとケータイを合わせて、のべ1300万人以上とのことですから、超メジャーなサイトへと急成長を続けているのです。
食べログでは、飲食店を訪れた人が味やサービスを5段階で評価していて、その加重平均値が5点満点で表示されます。併せて、行った人にしか分からないリアルなクチコミ情報も多数掲載されています。3.8点以上を獲得している店は「外さない」という経験則も、ユーザーの間では浸透しつつあるようです。
さて、この食べログ、書き手(評価者)にとっては、訪れた店の記録としても重宝しますし、ある種の自己表現の場としても有効でしょう。実際に、それまではちょっと外食好きな普通の人だったのが、食べログでの「活躍」によって飲食業界の著名人になったというケースもあります。
そして何より、せっかく外食をするならば、少しでもおいしい店や外さない店に行きたいと願う人々にとっては、「経験者」の生の声を知ることができる貴重な場となっているのです。私自身も、投稿はしていませんが、気になる店があった時には食べログで事前に評価をチェックすることが多いです。
食べログとぐるなびの違い
なぜ、食べログはこれほどまでに支持されているのでしょうか?
最大の理由は情報の「信頼度の高さ」でしょう。
テレビや雑誌などの既存のメディアでも、飲食店情報は主要なコンテンツとして頻繁に登場します。しかし、それらのメディアから発信される情報は、当然「誰かのフィルター」を通過しているので、必ずしも中立で客観的とは限りません。誰かとは、プロデューサーや編集の人間であったり、あるいは何らかの事情だったりするわけです。
また、マスメディアが発信する情報では、本当の「おいしさ」よりも、「ニュースバリュー」や「メディア映え」のほうを優先することもしばしば起こります。おいしいけれども地味なものよりも、例えば、看板がない隠れ家風であることやナイフを入れたら大量の肉汁がしたたってくることに、より価値を見出すことがあるのです。
結果、メディアで大きく取り上げられていたのに、いざ行ってみると「大しておいしくない」ということが起こってしまうことがあります。皆さんの中にもそんな経験をしたことがある方がいるかもしれません。
それに対して、食べログの場合、少なくとも複数の人間が評価をしているのであれば、こうした事態が起こる確率は減るでしょう。関係者によるヤラセの書き込みを排除するような仕組みも導入しているようですので、信憑性もある程度は確保されていると思われます。
マスメディアではなくインターネットの世界に目を向けると、ぐるなび(当時は交通広告代理店であるNKBの1事業部)が1996年6月と早くから開設した飲食店紹介サイト「ぐるなび」が、依然として大きな存在感を示しています。ただし、ぐるなびは飲食店が掲載料を支払う形ですので、そのことを理解したうえで情報を判断する必要があるでしょう。ある時点から、ぐるなびでもユーザーの声を掲載するようになりましたが、数値化やランキングというところまでは踏み込んでいないのが現状です。
この比較だけを見ると、食べログはあたかも万能のようですが、必ずしもそうとも言い切れません。
不動産価値に波及するというのは大げさです。本当に腕に自信があるんだったら一等地にこだわる必要が無い、というレベルの話でしょう。その店のおかげで通行人の流れが一変しまった、というところまで影響が及ばなくては不動産価値を変えるとまではいきません。 一等地でも裏通りでも繁盛するのは店の能力や努力の賜であって、不動産の価値そのものが変わったからではありません(繁盛しているからという理由で裏通りなのに一等地と同じ家賃まで上げられたらたまったものではありません)。一等地ならば無能でもやっていける可能性がありますが、裏通りならばつぶれてしまう、この差が不動産価値であるはずです。 また「一等地にこだわらない」と言っても、エリアにはこだわる必要はあるでしょう。以前はIT革命により東京に出てくる必要は無くなるから、東京と地方はフラット化するようなことがよく言われていましたが、逆に東京一極集中が進んでいます。発信される情報の絶対量が多い都心と、少ない地方では、質の高い店の絶対数も都心のほうが多くなるので、ますます都心が魅力的に映り、都心に出店が集中してくる、といった考え方もできませんか?郊外立地の家電量販店も、都心駅前一等地に集中出店してます。私はカカクコムの出現で家電量販店は衰退するのではと思ってましたが、残念ながら全く逆になっています。(2010/03/31)