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「赤い看板」「緑の提灯」・・・色で人を引き寄せる

色彩と心理の関係に見る食の世界

  • 子安 大輔

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2010年5月12日(水)

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 日本マクドナルドが“黒マック”を出店しています。

 正確に言うならば、東京都の渋谷区や港区などにある一部の既存店を、「新世代デザイン店舗」として、実験的にリニューアルを進めているのです。

 日本マクドナルドでは、同じ商品であっても全国一律ではなく、地域別に価格を変えるということを既にやっていますが、この“黒マック”では、いくつかの商品が他店舗に比べて数十円ほど高い値付けになっています。

 どこの店舗に入っても同じ商品が同じ価格で食べられるという安心感は、チェーン店の大きな魅力の1つです。ただし、賃料や人件費が地域によって異なる以上、それに連動して売価にも差をつけるというのは、戦略としては間違っていないように個人的には感じます。

目立って食欲を刺激する「赤」

 日本マクドナルドは、一方では「100円マック」を展開して顧客に安さを感じさせながらも、マーケティングにおいて力を入れている「クォーターパウンダー」や「ビッグアメリカ」シリーズは400円以上もするものが多く、少しずつ高級路線にシフトさせていることが分かります。そんな価格に対する巧妙な戦略を、都市部においては“黒マック”という形で具現化させたのかもしれません。

 値段の件ももちろんですが、ここで取り上げたいのは、そのデザインです。看板に掲げる黄色い「Mマーク」の背景はお馴染みの赤ではなく、「黒」を使用しています。内装についても、黒を基調とした落ち着いた色遣いで、これまでの店舗とは違う、ある種の「高級感」を演出しようとしているようです。

 さて、ここで注目してみたいのは「食と色の関係」です。

 食べ物と色との間には、非常に密接でデリケートな関係があります。日本マクドナルドには「赤」というイメージがあまりにも強く印象づけられているだけに、赤ではない色を使うという今回の判断にはそれなりに悩むところがあったのではないかと推察します。

 色彩と心理の関係において、赤は食と極めて結びつきの強い色だそうです。肉や血の色、野菜や果物が熟した色、太陽や火の色など、赤に対しては「食」との関係が、私たち人間には本能的に刷り込まれているのでしょうか。

 街の飲食店を眺めてみても、赤い看板は本当によく見かけます。個人店や中小零細企業の店もそうですが、マーケティングに長けた大手外食企業が展開する店舗は、赤あるいはそれに準じるオレンジ色や黄色で溢れています。

 例えば、日本マクドナルドを筆頭とするファストフードです。ケンタッキーフライドチキンは赤そのものですし、ロッテリアは赤と黄色、ファーストキッチンはオレンジ色を掲げています。モスバーガーは、最近でこそ緑色への転換を進めていますが、元々は赤を全面的に使用していました。

 他の業態でも同様です。牛丼チェーンの中で店舗数が今や最も多いすき家は赤基調ですし、吉野家や松屋もオレンジ色が目立つ作りになっています。チェーン居酒屋も和民、笑笑、養老乃瀧などは真っ赤な看板を掲げていますし、持ち帰り弁当のほっともっと、そして最近話題になっている餃子の王将も赤い看板が目印です。

 目立つという意味での視認性、そして食欲を刺激するという点では、赤が他の色よりも圧倒的に優れているということなのかもしれません。

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