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ニューヨーク市がメディア振興策に注力

金融依存の経済から抜け出せ

2010年10月4日(月)

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 米ニューヨーク市のベンチャー集積地「シリコンアレー」に熱気が戻ってきた。10年前のインターネットバブルで盛り上がったが、その崩壊によってほぼ壊滅したと見られていた。ところが、ソーシャルネットワーク(SNS)の普及やメディアのデジタル革命という環境変化にチャンスを見いだした起業家が続々と再集結しつつある。バブルの再来なのか、あるいはデジタル革命の起爆剤なのか。新世紀シリコンアレーに集まるデジタル革命の群像に迫る。

 第1回目はデジタルメディアの育成に力を入れるブルームバーグ政権。

 「このままではニューヨークが世界のメディアの首都ではなくなってしまう」

ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)プレジデントのセス・W・ピンスキー(撮影:水野 博泰)

 デジタル革命の進展に伴い既存メディアの成長が鈍化する中、ブルームバーグ政権は果敢に産業政策を打ち出し実行に移している。デジタル技術を貪欲に取り込んでメディア産業が成長できるよう支援するものだ。それも、優れた才能をニューヨークに引きつけ、アントレプレナーシップを大いに発揮させることに主眼をおいた産業政策である。

 政策の理念と具体的な政策内容について、ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)のプレジデントを務めるセス・W・ピンスキーにインタビューした。NYCEDCはニューヨーク市と契約関係にあるNPOで、同市の経済発展を促進することをミッションとしている。

金融依存の市経済から脱却、メディア産業を伸ばす

 かねてマイケル・ブルームバーグ市長は、ニューヨーク市経済を多様化し金融業への依存を減らすことに力を注いできた。ニューヨーク市の経済とインドの経済の規模はほぼ同じ。この巨大な規模の経済を、時代の変化に合わせて変容させる。

 特に、2008年秋に金融危機が発生してからは経済の多様化にいっそう力を入れ、雇用の創出に努めている。

 ただし、危機に直面した市長はすぐに政策を打ち出したのではなかった。政府は長期的な視点に立って行動すべきだとの立場を取る市長は、「情報不足の状況でやみくもに策を打っても、成果を生み出さないばかりか、真の問題のありかを突き止めずに終わる可能性もある」と考えた。

 そこで、ブルームバーグ政権はまず情報の収集にあたった。メディア産業についても、財界人や学者と今後の世界経済でニューヨーク市がいかなる方向を目指すべきかについて200回以上にわたって徹底的に議論し、その上で政策を形作ろうとした。

 こうしたプロセスを経て、市長は2009年7月7日に8つのイニシアティブからなるメディア産業政策を発表した。ブルームバーグ政権が打ち出した一連の産業政策の一つである。

 政策の基本理念は、賢く才能のある人がアントレプレナーシップを発揮して「ネクスト・ビッグ・シング」を探求するのを手助けすることである。というのも、次に伸びるビジネス、すなわち「ネクスト・ビッグ・シング」はこれだと政府が予想して振興策を打っても、その予測は外れることが少なくない。そこで、政府が予測をするのではなく、アントレプレナーが多くの模索を重ねる中から成功例が出てくる方向をニューヨーク市は選択している。

 8つのイニシアティブは具体的には下記の通りである。

ニューヨーク市が進める8つのイニシアティブ

アントレプレナーシップとイノベーションを育成し促進する

(1)NYC Media Lab

 研究機関とメディア企業との交流を盛んにすることを目的としたリサーチセンターを設立する。大学など各種研究機関の研究内容をデータベース化して、研究をメディア企業のビジネスに生かせるようにする。さらに講義やワークショップなどを開催し、産学間のネットワーキングを活性化する。スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学における同種のプログラムから学んだ上での設置。

(2)Media Tech Bond Program

 NYCEDCが創設するIT投資のための債券。100万ドルから1000万ドルまでのプロジェクトのファイナンスに用いる。メディア企業のIT投資が活発になることが期待できる。無形財産の創出に対するファイナンスを可能にした、最近の連邦法の改正を受けてのプログラムである。

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