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第1回
意欲で勝ち、貪欲に負ける
成功者が押す破滅のスイッチ

  • 水野 博泰

バックナンバー

2006年4月3日(月)

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京セラ名誉会長 稲盛和夫氏
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世界に誇るべき謙譲の美徳を忘れた現代ニッポンに物申す。

次々に発覚する企業の不祥事や重大事故を招くのは、人の心に巣くう過ぎたる欲望なり。

法の網を重ね、規則とルールを連ねても、悪しき心の前には無力である。“ホリエモン”とは、人の道を教えることを怠った戦後教育の産物だった。成熟国家ニッポンが歩むべき道筋は、もはや過去からの延長線上にはない。

戦後60年が形作った国益という固定観念から勇気をもって解脱せよ。それが新しい日本を描くためのスタート地点なのだから。

(聞き手は、編集委員 水野 博泰)

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(システム条件がWindows XP Service Pack 2 or Vista以降で、Quicktime7.2が必要です。MACの方は、Mac OS X v10.3.9とv10.4.9以降。必要に応じてインストールをお願いします。
Quicktime:windowsMac)

本誌 企業の不祥事や法令違反が次々に発覚しています。その背景にはいったい何があるのでしょうか。

稲盛 根底にあるのは、際限がなくて抑制することのできない欲望です。言い換えると、「足るを知る」という謙虚さを見失ってしまったことです。

 企業経営者を突き動かす原動力は、自分の企業をさらに大きく、もっと立派にしたいという強い意志、やる気、思いです。もっと根元的には、やはり人間の欲望なんですね。強い願望です。それに才覚や才能が加わって事業は回っていきます。これは企業という集まりだけでなく、現在の資本主義社会の発展、学問や科学技術の発展、ひっくるめると人類の進歩というものすべてに通じることです。

 ただし、初期の資本主義というのは非常に堅実で、地味なものでした。担い手は敬虔なプロテスタントです。生活を質素にし、労働を尊び、得られた利益は社会の発展のために還元する。自由な経済活動が許されるためには、厳格なほどの精神的、倫理的規範が前提となっていたのです。

豊かさの代償に失った謙虚さ

本誌 しかし、現代の資本主義は様変わりしました。

稲盛 ええ。貪るような強い欲望を持つことは美徳だとまで言う人もいるくらいです。「もっと儲けたい」「もっと金持ちになりたい」という貪欲さが無制限に膨らんでいます。しかし、際限のない貪欲さというのは、必ず破綻への道をたどっていきます。

 才覚もあり、知恵もあり、やる気もあって若さもある。そんな昨今の企業経営者の方々が、大きな成功を収める。そして、自信を深めて、さらに貪欲さを増して突き進む。次第に自信は慢心に変わって有頂天になっていく。膨張する自己顕示欲に歯止めが利かなくなります。やっていいこと、悪いことの見境もつかなくなり、ついに不正に手を染めて自滅していくのです。

 人類の進歩、社会の進歩、企業の発展のためには、人間の欲が必要です。現代の社会で、謹厳実直に慎ましくやりなさいと言うつもりはありませんが、際限のない貪欲さはいけない。欲望とはそれが過剰になった時、人類をこの地球上から抹殺するぐらいの恐ろしいものです。発展のエンジンは、破滅へのエンジンにもなり得るのです。

 欲望が渦巻く社会だからこそ、人は足ることを知らねばなりません。一生懸命に努力して若くして成功したとしても、それは1人の努力の結果ではない。多くの人の助けがあってこその成功です。そのことに心から感謝する。すると、こんなに会社がうまくいっていいものだろうか、これでいいんだろうか、行きすぎていないだろうかと顧みる心、日本人特有の「もったいない」という気持ちが生まれて少しブレーキを踏む。そうした謙虚さを持つことが成功を持続させる条件だと思います。

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