• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第2回
戦いを挑み続けた日本の100年
優しさを捨てられなかった弱さ

  • 水野 博泰

バックナンバー

2006年4月4日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close


京セラ名誉会長 稲盛和夫氏
動画再生ボタン"

 本誌 企業不祥事の多くは米国的資本主義が極限まで行き着いた結果だと見れば、その対極にある「日本的経営」の良さを我々は見直すべきなのではないでしょうか。

 稲盛 日本的経営とかグローバル経営という言葉がありますけど、そういうものにこだわることはありません。欧米の経営スタイルは、貪欲さをエンジンにして利益を極限まで追求していくことを善とします。日本が何か違うとすれば、「それは必ずしも善ではないのではなかろうか」と疑念を持つ良識ある人たちが少なからずいるというくらいのことでしょう。

 米エンロンとか米ワールドコムのような大事件のほかにも、小さな不祥事はたくさん起こっています。そういう不正や不祥事を防ぐために、もっと厳しい法律を作り、法令遵守のための膨大なルールを作り、それを守らせるためのルールをまた作る。社内監査を厳格にするために、莫大なお金を支払って弁護士事務所や監査法人を雇う。

 これでもか、これでもかとルールやチェック機能を設けて不正を防ごうとするのですが、不正を完全になくすことはできないだろうと誰もが内心では思っている。ずる賢い人間はそうした法やルールの網を易々とかいくぐる。人間の心というものが変わらない限り、同じことの繰り返しです。それは米国でも日本でも同じです。

※上記の動画再生ボタンをクリックしてもご覧になれない方、またはOSがMACの方はこちらから

(システム条件がWindows XP Service Pack 2 or Vista以降で、Quicktime7.2が必要です。MACの方は、Mac OS X v10.3.9とv10.4.9以降。必要に応じてインストールをお願いします。
Quicktime:windowsMac)

優しくもか弱い日本人

 本誌 日本人は世界的に見ても道徳心の高いほうだと思っている人が多いのではないでしょうか。

 稲盛 日本人が特に道徳心が高いとか、倫理観が高いとは思いません。日本的経営だから安全だ、危険がないとは決して言えません。ただ、日本人は全体に流れている気質の中に穏やかな人間性というようなものがある。とても優しい民族なのです。

 この極東の4つの島は、黒潮と親潮が合流して海の幸も豊富に捕れるし、温暖な亜熱帯気候で素晴らしい果実も実る。縄文の時代から、激しく争わなくても食べていけました。そういう環境が何千年もかけて日本人の穏やかな気質を育てたのです。

 欧米の場合は狩猟民族ですから、俺が、俺がという押しの強さがなければ食べられなかった。そこに優しい心根を持った日本人がしゃしゃり出ていくのだから、そりゃ、やっつけられますよ。肉食動物と草食動物ぐらいの違いがあるんじゃないかと思います。

 明治以来の近代史を振り返ると、日本人は欧米列強と肩を並べようと精一杯の背伸びをしながら戦ってきましたが、あまり良い成果を上げなかった。戦後は、経済的にはのし上がりましたが、グローバルな舞台の隅々で欧米各国と対等にやり合えるようになったとは思えません。我々は優しくも、時にか弱い気質を持った民族なんだということを知ったうえで、どういう経営をすればよいかを考えるべきです。

コメント0

「特別インタビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック