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東ハト社長 辺見 芳弘氏
(2)「絶対失敗」と言われたアディダスへ

2006年6月22日(木)

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 職業としての「社長」を自ら選び、活躍されている方をお招きし、経営層を目指す人々に、自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。コンサルティング会社からアディダス日本法人の副社長に転じ、そして菓子メーカー、東ハトの社長として、同社の再建を果たした、辺見芳弘氏がゲストだ。Part2は、アデイダス日本法人を率いた時代の話をご紹介する。

 秋山(以下、A) 先ほどのお話の中で、「考え抜く」というのはとても大切なことだと思いました。一方で、(経営の現場に入られたとき)習ったけれど使えないとか、コンサルタントのいうことは机上の空論が多かったとか、そういうものはありますか。

 実は(ボストンコンサルティンググループを辞めて、副社長として転じた)アディダスは、僕がBCG時代に客として提案したプランを自分で導入したんです。自分でやってみて、「あ、これはおかしい」と気づいた(笑)。

 BCG社内でも「アディダスは絶対失敗する」という意見が多かった。というのは、1997年の10月に「400億円のビジネスを引き継ぎたい」と言って、社長と秘書とフランス人の若い人が3人来て、「これから1年で会社をつくりたい(から手伝って欲しい)」と言ってきたわけです。

 1年のリードタイムがあったんですけど、アパレル業界の場合は半年前に注文を取りますから、実際には1998年6月に会社の体裁を整えなければいけなかった。そういう困難があって、逆に「じゃあ、やってみるか」という気持ちになったんです。

A ファンの人はみんなご存じだと思いますが、1970年ぐらいから1998年ぐらいまで、日本では生産と販売を全部デサントが担当し、私たちは子供のころからあの三本線を「格好いい」と着ていました。

 日本では外資のローカライゼーションは大体うまくいかないので、アディダスは、そのうちの数少ない成功例として、いつも取り上げられました。それはデサントが「日本独自の戦略を立て、日本人に合う形で導入したから」といわれてきた。辺見さんが入られて、今まですごく上手にやっていたのをいきなりぱっとやめた。当時、このままではまずいとお考えに…

 デサントが本質的に間違ったのは、アディダスは本来、ファッションブランドではなく、スポーツブランドだということです。スポーツでないと、ブランドは長持ちしないという考えがある。でも、デサントの場合はアディダスを、ファッション性のほうに行かせ過ぎだという不満が(本社側で)あった。

 さらに言えば、アディダスの最重要課題は、ナイキに世界で勝つために、主要マーケットを自分のものにしてコントロールしなければならないということでした。

ローカルの自主性を前面に出す

A 当時は、(国ごとにコンセプトを変える)多国籍企業ではなく、全世界統一コンセプトのもとでの、グローバルな会社経営の大切さが叫ばれていた頃ですよね。

 アディダスの場合、ライセンス事業を自分の子会社にやらせるという意味でグローバルなんですけれど、ナイキに比べればまったくローカルなんです。ナイキの商品企画は今は香港ではやっているかもしれないけど、基本的には日本ではやらないと思いますよ。

 グローバルカンパニーの場合、どのぐらいローカライゼーションするかという問題が出てきます。アディダスの場合、ローカライゼーションにおいては、例えば、3本線のロゴと、トレフォイルという月桂樹。あれは本来、三本線はスポーツ、月桂樹はファッションなんです。今は製品別に明確に分けていますけれど、デサント時代は売れそうな方を適当に付けていたんです。そういうコントロールがまったくできなかったというのが、グローバルブランドとしての不満でもあったわけです。

 ただ、商品のサイズをローカルに合わせるのはアディダスはオーケーで、ナイキはそれも原則本社でやりたい。その辺は、アメリカとヨーロッパの会社が海外進出するときの考え方の違いなのかなと個人的に思います。

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「東ハト社長 辺見 芳弘氏
(2)「絶対失敗」と言われたアディダスへ」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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