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お天道様に守られている人(その5)

松井証券社長・松井道夫――反権力、反官僚

  • 高橋 三千綱

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2006年7月14日(金)

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 松井道夫さんのエネルギーの源になっている両輪の輪の片方は「天の邪鬼」精神。そしてもうひとつの輪は、反権力、とくに官僚に対する嫌悪感が、事に臨んだ彼を突き動かす反骨心になっている。

 本来の道夫さんの性格は、権力闘争とは無縁で、どちらかというと後ろに隠れている方が向いている。それは黒幕という意味ではなく、たとえば派閥争いをしている重役たちの横で、まったく無関心にテレンコしているのが性に合っているというタイプなのである。

 しかし、いつのまにか官僚に対する反発心、不信感が芽生えていった。

松井道夫氏

松井 道夫(まつい・みちお)氏

1953年3月長野県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本郵船に入社。86年に松井証券のオーナー社長の一人娘と結婚、87年に同社に入社した。常務取締役営業本部長などを経て、95年から現職。株式委託手数料の大幅引き下げや、インターネット取引への特化などで、中小証券だった同社を個人の株取引でトップクラスに押し上げた。

 それにはまず実父のことを説明する必要がある。

 道夫さんの父、務台甚一は1925(大正14)年生まれである。戦後、高校で古文漢文の教師をしたあと、東京国税局で国税査察官になった。家族4人は北区の官舎に住んだ。道夫さんの下に弟がひとりいる。

 ノンキャリアの父親は必死で働いた。しかし、東大法学部を出た年下のキャリア組に階級ではどんどん抜かれていく。その組織の中枢にいた彼は、同じ役人を毛嫌いする人間になっていた。

 道夫さんはそんな父の背中を見て育った。

 「役人というのは考えていることが汚い。それを内部にいる父は骨身にしみていた。実体験として見ていた」

 やがて、役人の世界に嫌気をさした父は、国税局をやめて民間の会社に移った。父の無念は道夫少年にも影響を与えた。

 そのことを身をもって体験することになったのは、高校受験のときだった。都立日比谷、小石川が進学校だった頃だ。道夫さんは小石川を第1志望にしていた。しかし道夫さんが中学3年のときに学校群制度ができて、志望高校を選べなくなった。小石川は元もと府立第二高女だった竹早高校とセットになり、くじ引きで生徒は振り分けられた。確率は4分の1だった。

 1、2、3番が小石川、4番が竹早、5、6、7番が小石川、8番が竹早という順になってくじ引きが行われ、道夫さんは竹早高校組に振り当てられた。のち、ここは学園紛争の発火点となり、学校はロックアウトされることになる。

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