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【商う外国人】日系ブラジル人青年の柔術ビジネス
〜「DUMAU(ドゥマウ)」その1

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2006年7月25日(火)

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 法務省によると、05年末の外国人登録者数は201万人。うち国籍別では、韓国・朝鮮が29.8%、中国が25.8%、ブラジルが15.0%、フィリピンが9.3%となっている。韓国・朝鮮籍の場合は以前からの「在日」が多数含まれるため、ニューカマーでは中国人がダントツだといえる。

 しかし、ここで意外なのは在日ブラジル人の多さである。登録者数は毎年増加傾向、05年末段階ではじめて30万人を超えている。

 在日ブラジル人のほとんどは、日系2世や3世だ。だが、みなが日本語を操れるわけではない。地球の真裏の地理関係で育った彼らと我々とでは、当然のことながら、モノの考え方も行動様式も違う。

 メジャーな在日外国人であり、同じ顔かたちをした「同胞」でありながら、我々は彼らのことをよく知らない。彼らはこの島国で何を思い、何を求めているのか。

 シリーズ【商う外国人】の第2弾では、篭原エヂソンというある日系2世を通じ、在日ブラジル人の素顔を垣間見たい。小柄で丸眼鏡をかけ、気弱そうな微笑を浮かべる篭原青年は、一見、「のびた君」だ。でも、その実体はブラジリアン柔術(※1)のツワモノで、徒手空拳の格闘技ビジネスにまい進する「ゴツイのびた君」だった。

 浜松弁混じりの飄逸とした語りから、パワフルな楽観主義を感じ取ってもらえたら幸いだ。

※1 ブラジリアン柔術
「グレイシー柔術」という呼称なら、聞き覚えのある方も多いだろう。“最強”の格闘技として、幻想的な響きを持つブラジリアン柔術(=グレイシー柔術)。格闘技ブームといわれる昨今、日本でもPRIDEに代表される総合格闘技では、必須の寝技の技術として広く知られている。

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 柔術の人気ブランド「DUMAU KIMONOS(ドゥマウ・キモノス)」については、のちほど詳しくうかがいます。まずは、その運営会社の代表である篭原さんの生い立ちから聞かせてください。日系2世とのことですが、お父さんのご出身は?

篭原氏
篭原氏

篭原 鹿児島。

 お母さんは?

篭原 日系。

 えーっと、篭原さんは日本に来てから日本語を学んだのですか?

篭原 来てから。初めて日本に来たときは、何も喋れなかったね。2世でもできる人もいるし、できない人もいる。ウチではほとんどポルトガル語。家庭によって、全部日本語というところもあるけど。

 家で日本語を話していなかったということは、何かご両親の考えがあったのでしょうね。

篭原 それもあるかな。そのほうが向こうの言葉を覚えるからね。

 ブラジルでは、お父さんは何の仕事を?

篭原 百姓。野菜をいろいろつくってた。いまは土地を持って、のんびりやっているんだね。

 小さい頃は、どんな子どもでしたか。勉強を一生懸命やっていたほう?

篭原 目的とか目標があればやるね。成績がよければ学費を払わなくていい高校があったから、勉強してそこに入った。

 高校生ぐらいのときは、仕事は何をやろうと思っていたんですか。

篭原 あんまり決まってないけど、そのとき自分も商売をやっとったんだね。

 商売? 家の仕事の手伝いじゃなくて?

篭原 自分で家賃を払って、おうちを借りて商売をやっとった。

 自分一人で?

篭原 そう。16、17歳の頃から食品を売って、商売した。例えばジェレイア(ジャム)みたいな自然食品を卸で買って、小売り。店じゃなくて、歩いて家とかをまわって売ってた。

 日本で言うところの「訪問販売」かな

篭原 そうかな。向こうには、そういう商売がすごくある。

 失礼かもしれませんが、家はそんなにお金がある方ではなかった?

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著者プロフィール

和良 コウイチ(わら・こういち)

ライター、編集者。1969年、東京生まれの埼玉育ち。法政大学経済学部卒業後、ニセ学生や海外旅行でしばらくプラプラし、やがて出版社に潜り込む。格闘技雑誌の副編集長から人文社会科学系の書籍編集者に転進し、教育関係のマーケティング会社にも勤務。現在、格闘技雑誌を編集しながら、自らもサンボ、ブラジリアン柔術の稽古で汗を流す日々。最近の関心は、柔道と“JUDO”の論じられ方。ロシア現代史に関するノンフィクションも執筆中。



このコラムについて

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 「ユーザーの顔が見えない」と言われる中で、自分自身の思い入れを武器に成果を上げている人々がいる。いわく言い難い個人の熱意(X)を、ビジネスとして組み立て、市場にいる買い手に思いの丈を伝える(EXPRESS)工夫を、本人へのインタビューを中心に、所属する組織や、市場規模の大小に関わらず紹介する。

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