(第1回から読む)
外国人登録者数で30万人を超える、メジャーな在日外国人であり、同じ顔かたちをした「同胞」でありながら、我々は彼ら−−在日ブラジル人のことをよく知らない。彼らはこの国で何を思い、何を求めているのか。シリーズ【商う外国人】の第2弾では、篭原エヂソンというある日系2世を通じ、在日ブラジル人の素顔を垣間見たい。小柄で丸眼鏡をかけ、気弱そうな微笑を浮かべる篭原青年は、一見、「のびた君」だ。でも、その実体はブラジリアン柔術のツワモノで、徒手空拳の格闘技ビジネスにまい進する「ゴツイのびた君」だった。
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篭原エヂソンさんは、日本でブラジリアン柔術の道着、「キモノ」の販売で年商3000万円を上げているんですね。ブランド名は「DUMAU」。このキモノについて、少し詳しく聞きます。他のブランドよりも優れている点は、ズバリどこですか。
篭原 デザインが格好いい、とみんな言ってる。あとは、やっぱり“軽さ”。今、キモノ込みで計量(※3)をやっているから、できるだけ軽くしてるけどね。
※3 ブラジリアン柔術の計量
試合では、細かく体重別に階級が設けられている。たとえば、同じく道着着用の柔道や空手などでは、パンツ1枚の状態で計量するが、ブラジリアン柔術では、道着を着用したまま計量する。身体・道着込みの重量の方が同条件と考えるのが、ブラジリアン的な合理性なのか?
篭原 新しい商品は縮まないのが一番だね。他のメーカーはみんな縮むから。
分厚い綿だったら、洗って乾かすと絶対縮みますよね。
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篭原 それが今ほとんどなくなった。
キモノはブラジルの工場でつくっているとか。
篭原 そうそう。今のところはみんなパラナ州ロンドリーナの工場でつくってる。いまパキスタンの2つの工場から、「こっちでつくらないか」という話も来ているのね。結構安いし、他のメーカーはもうつくってるところもある。でも、品物見たけど、今のところは無理かな。
デザインもブラジル人がしている?
篭原 日本人のデザイナーをあまり知らないから。でも、アイデアはみんな自分で出してるね。ブラジル人のデザイナーに「こういう形にして」「こういうデザインにして」「ここを直して」とか。
DUMAUのロゴマーク、これは蛇ですか。
篭原 本当はコブラとドラゴンを組み合わせているけど、コブラはちょっとだけ残って、どっちかというとドラゴン。ドラゴンもコブラも強い、怖いというイメージあるね。
「DUMAU」という言葉は、どういう意味なんですか。
篭原 イメージ的には、英語の“BAD BOY”。でもDUMAUは、“BOY”じゃなくて、悪い“奴”。
「BAD BOY」という他社のブランドもありますよね。もともと柔術には、そういう人がやるものというイメージがある?
篭原 ブラジルでは昔そうだったけど、今はもう変わってる。スポーツだとみんな考えてるから。
ブラジルでは柔道もそれなりに盛んだと思いますが、比べて柔術はどんな感じですか。
篭原 柔道も結構やっている人はいる。柔道は日本が一番だけど、ブラジルもたまにメダルを取るでしょ。でも今は、柔道をやっている人が柔術もやっているね。
重なっていると。柔術人口そのものは、どれぐらいいるのですか。
篭原 ブラジルではサッカーと一緒。
サッカーと一緒!?
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