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究極のコミュニケーション能力とは

  • 遥 洋子

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2006年8月18日(金)

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 究極のコミュニケーション能力は、介護のときに露呈すると思う。在宅介護でも病院介護でもいい。自分のことができなくなった人に対し、なにがほしいか、どうしてほしいか、なにをしてあげるべきか、を予測するのは容易ではない。

 要介護の母が入院したときだった。兄が見舞いにやってきた。「飲み物持ってきた」とひとこと言った後、狭い病室で立ったままこれといってやることが見つからない。兄は「ちょっとタバコ吸いにいってくる」と言い部屋を出て行った。

 しばらくして戻ったものの、やはり手持ち無沙汰。そこで「ほな帰るわ」と帰ってしまった。見舞いの時間は10分ほどだった。兄が「帰る」と決断したのはおそらく「なにもやることがない」ことへの納得だろう。

 一方、私は病院に付き添うときに読もうと持参した新聞を読む暇もなかった。自分で身動きが取りにくくなってしまった病人が、あの狭いベッドの中で食事をしたり、オムツを替えたり、たまには車椅子に移動もするのだ。体の無理のない角度から、テーブルの適度な位置、オムツのテープの強弱、部屋の温度、ナースコールボタンの位置など、常に病人にとって快適な状況を意識し続けると、休む間がなかった。

同じ見舞いでも、兄と私のこの差はなにか。

男女の違いか。性格の差か。それともそんなもんだから、か。

 介護雑誌のインタビューがあった。もし私自身が介護される時がきたらどういう介護を望むか、というものだった。私は間髪入れず「施設に入る」と答えた。インタビュアーは即答する私に希望を見出させようとしたのだろうか、子供のいない私に「遙さんの甥とか姪とかが面倒見てくれるかもしれませんよ」と促した。私は「100万円賭けても、彼らは介護を絶対しない」と明言した。そこには根拠がある。

「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」のバックナンバー

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