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夢を追いかける任侠の人(その3)

日本電産社長・永守重信 ―― 怪物となった化け物

  • 高橋 三千綱

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2006年9月1日(金)

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 日本電産組の親分である、永守重信さんの真実の姿は、化け物である。怪物となった化け物である。

 御本人はいたるところで、自分は情熱、熱意、執念と信念の経営者であると語っているが、それが事実であっても、私には化け物に見える。

 車にたとえると、650ccの軽自動車が、1000ccの排気量の車の挑戦を受けると、よし、とばかりに1100ccに姿を変える。

 次に2000ccの車が登場すると、えい、やあ、と気合いを入れて、たちどころに2500ccにグレードアップする。

 「こら、いい気になるな、こちとらは3500ccの外車だぞ、とっとと失せやがれ」

 とすごいのが出てきて居丈高に怒鳴ると、

 「なにをこしゃくな」

 と呻いて、さらに唸って、もうひとつ気張って、ぐわーんという轟音と共に、誰も見たことのなかった7000ccの巨大なリムジンに変貌するという具合である。

永守重信氏
永守 重信(ながもり・しげのぶ)氏

1944年8月、京都府生まれ。62歳。67年、職業訓練大学校卒業後、メーカー勤務を経て、73年に日本電産を創業。精密小型モーターを主力に80年代から90年代のハードディスク市場の拡大に乗って急成長させた。積極的なM&A(企業の合併・買収)を実施。傘下に収めた経営不振企業を短期間に次々と再生してきた。2010年に連結売上高1兆円を目指す。

 これを生き物にたとえると、化け物になるのである。

 困難という障害にぶつかれば、それを糧にして生き延びる。不可能という壁がたちはだかれば、「可能である」と念仏を唱えながらじわじわと登りだし、やがて絶対不可能と思われていた壁を、乗り越えるどころか突き破っている。

 だから、永守さんを相手に闘う人は大変である。自分が大きくなれば、さらに永守さんが巨大化するのだから、目標の設定を毎日変えなくてはならない。

 味方だからといっても安心はできない。いつの間にか、平凡な人間が、化け物じみた人と一緒になって走らされているのだから大変だ。まともについていったら、心臓が爆発する。

 永守さんもそこは承知していて、おれと同じように、一気に100メートルを跳べ、とは社員に命令しない。創業の頃はそんな感じであったが、今では、

 「1人の100歩より、100人の1歩」

 と社員には常に言い続けている。勿論、100人が100歩進んでくれるのが理想的だ。だが、そんなにうまい具合に人材が集まるわけがないから、100人の1歩、といって社員を鼓舞しているのである。

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