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現場に響く言葉、響かない言葉
~ダイエー 樋口泰行社長(2)

2006年9月14日(木)

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 職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。

 今回は、経営再建中のダイエーの社長を勤めてきた樋口泰行氏をゲストに迎えた。ご承知の通り、樋口氏は8月22日に辞意を表明し、10月6日に退任する。後任の人選も完了している。このトークセッションは辞意表明の直前、8月9日に行われた貴重なものとなった。

ダイエー 樋口泰行社長

 樋口氏は大阪大学工学部を卒業後、松下電器産業に入社し、溶接機事業部に配属された。ハーバード大学に社内留学するが、帰国後、半年で退社、ボストン・コンサルティング、アップルコンピュータを経て、コンパックコンピュータに入社、日本で大ヒットしたプレサリオの開発・販売に携わった。

 2002年にコンパックと日本ヒューレットパッカードが合併し、日本ヒューレットパッカードとなり、2003年、同社代表取締役社長に就任した。そして2005年5月、ダイエーの再建を引き受け、同社の社長に抜擢された。

 今回は第2回。ハーバード留学から戻り、外資系メーカーに移った時期のエピソードだ。

司会、山中(以下Y) ハーバード留学の後、1991年に松下電器産業に戻られて、転職となりますが、「これがかなえられていたら、今でも松下にいた」ということは何かありますか。

 大阪で育って、大阪の大学を出て、大阪の企業に勤めて、留学させていただいた。一生かけてお返ししようと本当に思って(留学から)帰ったんです。

 (三菱商事からハーバードに留学し、今はローソンの社長の)新浪(剛史)さんは、子会社の経営を早いうちからやって、のびのびやって来たみたいなところがあるんですけれど、大きな枠組みの中で動いているメーカーには、当時そういう場がありませんでした。そういう場があったら残っていたと思います。「せっかく留学したのに、この仕事では満足できない、残念だけど(転職しよう)」という感じでした。

Y それで、転職された先はボストン・コンサルティング。前回おっしゃった、「内気で、人の発言に割り込めない」という性格からすると、相反するところを選ばれたのが、不思議な気もするんですが。

コンパックの米本社で座り込み交渉

 それは留学の影響かもしれませんね。コンサルティング会社とかインベストメントバンクがツアーをして各学校(米国のMBAコース)を回っていますよね。その食事会で接点があったので、(ボストン・コンサルティングを)選んだのです。

Y その後、アップルコンピュータ、そしてコンパックコンピュータに行かれる。そして、コンパックがヒューレットパッカード(HP)と合併したことで、合計3つのコンピュータメーカーを経験された。ご自身で書かれた本を読んだ限りでは、アップルが一番楽しそうでしたが。

 ええ、プロダクトもマーケティングも楽しかったです。コンサルを“卒業”するときに、「若くても活躍できるところへ行こう」とアップルを選びました。

Y そしてコンパック時代に、日本のコンシューマー向けの専用商品を作らせるために米国本社にねじ込み、3週間座り込みで交渉をやった話が本に出てきますね。あの経験が、樋口さんが経営者へ踏み出した第一歩なのかなと思うんですが。

 そういった形より、「社長」ではなくても、1つの事業部を、PL(損益)の責任を持ってやったことが重要でしょうね。その気概でやったという経験というのは、経営者になるために必要な経験だと思いますよ。

 ただ、外資系ですから、フルファンクションで全部の責任を持てることはなかなかありません。川上工程のR&Dとか製造は本社の仕事です。でも「それでは、日本で売れるものはできない」と、本社に掛け合ったんです。

Y 自己責任で、販売から何から全部練られたわけですね、少なくとも国内市場に関しては。生産についても自分で手配なさったと。となれば、ほぼフルファンクションと言っていんじゃないかと思うんですが。外資系の会社で、樋口さんの何が、その非常識な権限委譲を可能にしたんでしょう。

「こいつの言うことだったら」と思わせる

 外資系といっても、結局は人間関係なんですよ。

Y どういうことでしょうか。

 彼らも「こいつの言っていることだったら、やろう」という世界で動いているんです。1つ1つ実績を積み上げて、そういう関係をつくりながら、「これを通せば日本市場でブレークできる」というときに、交渉に臨んだわけです。

 まあ、いろいろありましたけどね。「日本はタレントを使って、広告をガツンといかないと売れなんです」と、(タレントの)TOKIOを使って、プレサリオ(の販促活動)をやったんですけれども、タレントを使うということが、なかなか本社には受け入れてもらえなかった。それで「認めてもらうまで、日本に帰らない」とやったわけです。

Y その実績が、合併後の日本HP社長抜擢につながっているんでしょうか。

 いや、どうでしょうか。

Y 合併自体は寝耳に水の話で、両社のカルチャーも相当違ったそうですね。

 ええ。同じコンピュータ業界でも、ここまで違うかというぐらいです。

Y 違う文化同士が出会うとどうなりますか。

 合併した側は、合併された側を否定してかかる。「自分たちがやってきたやり方が正しいから、合わせてもらおう」となるのが普通です。しかし、「それはもう一切やめよう。正しい方のやり方を採用しよう」と。

Y ご担当されたインダストリースタンダードサーバ統括本部は、両社からの社員が30人ぐらい。どんな形で、それを実現なさったんでしょうか。

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「現場に響く言葉、響かない言葉
~ダイエー 樋口泰行社長(2)」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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