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【わかるかも中国人】(4)
いま上海で最もやんちゃな新人類の冒険

  • 中村 正人

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2006年10月10日(火)

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 戦争も知らなければ全共闘運動も知らない。そんな世代が1980年代の日本では「新人類」と呼ばれたが、上海にも文革も知らなければ天安門事件も知らない「新人類」が登場。ところが、こちらの「新人類」は見かけはひ弱でも、なかなかどうしてやんちゃな戦略家だ。

 取りあえず物質的な豊かさは「世界標準」で手に入れた「上海ニューリッチ」にとって、「いまいちばん欲しいのは、刺激」。そう語るのは、上海若手アーチストの注目株、徐震だ。どんな刺激が欲しいというのだろうか。そこに制約はないのか。昨年、日本で発表された彼の作品から、狙いどころを探ってみたい。

第2回横浜トリエンナーレ会場に展示された『8848-1.86』(2005) (c)artist and The Japan Foundation  (写真:黒川未来夫)

 ほんの数日前まで誰かがそこで寝泊まりしていたかのように置き去りにされた大量の品々。2005年秋、横浜市山下ふ頭倉庫で行われた第2回横浜トリエンナーレ会場の片隅に置かれた『8848-1.86』という名のインスタレーション作品。

 組み立てたままのテントや投げ出されたザック、脱ぎ捨てられた登山靴、方位磁石、地図、飯盒、空っぽのペットボトル、タバコの吸い殻…。まるで遭難した登山隊が山小屋に残した遺品のような生々しさだ。その脇では吹雪に見舞われながらエベレスト登頂に向かう一行の悪戦苦闘ぶりがビデオ映像で流されている。

 ところが、隣に置かれたガラスの巨大ショーケースを見て、観客はだまされたと気づく。そこには高さ1.8メートルの白い岩塊が展示されている。一行が現地から切り取って持ち帰ったというエベレストの頂上部分だって?

事実のほとんどは「演出でしかない」

 悪ふざけもここまで徹底すればたいしたもんである。ビデオ映像は、もちろん偽りのエベレスト登頂記録として捏造された虚構のドキュメンタリーだ。この世に「事実」と信じられているもののほとんどは「演出でしかない」から、すべて疑ってかかる必要がある、というわけである。

 用意周到に仕組まれたインスタレーションを出品したのは、1977年上海生まれの徐震(Xu Zhen)。まだ20代の新進作家だが、上海を代表するコンセプチュアル・アーチストとして世界の名だたる国際現代美術展にユニークな作品を発表しているツワモノである。

 横浜で同作品が展示されていたちょうど同じ頃(2005年10月)、中国国家測量局がエベレストの標高がそれまで信じられていた8848.13mより3.7m低い8844.43mだったという測量結果を発表した。まさか、彼らが切り取ってきたから低くなった!? 偶然とはいえ、ちょっと驚いたものである。

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