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夢を追いかける仁侠の人(最終回)

日本電産社長・永守重信 ―― 富士登山の質

  • 高橋 三千綱

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2006年10月6日(金)

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 今回は永守さんの最終回である。

 このエッセイは日本電産の将来を占うものではなく、永守重信という個人の人柄を描くものである。こういう時、わたしの立場は検事ではなく弁護士になる。

 わかりやすくいうと検事の場合、目の前にいる被疑者が無罪を主張すれば、てめえは嘘をついているだろう、と追及する立場である。つまり、疑心暗鬼なのである。

 でも、弁護士の立場でいえば、目の前にいる人がわたしは無罪であるといえば、それをそのまま信じて、法廷でその無罪を主張する者である。

 前書きが長くなった。わたしが弁護士の立場といったのは、目の前で喋っている人に対して、一切の疑念を挟まない者であるといいたかったからである。嘘をついているとか、格好をつけているとか一切の疑念を挟まないし、わたしの批判を介入させるものではない。

永守重信氏
永守 重信(ながもり・しげのぶ)氏

1944年8月、京都府生まれ。62歳。67年、職業訓練大学校卒業後、メーカー勤務を経て、73年に日本電産を創業。精密小型モーターを主力に80年代から90年代のハードディスク市場の拡大に乗って急成長させた。積極的なM&A(企業の合併・買収)を実施。傘下に収めた経営不振企業を短期間に次々と再生してきた。2010年に連結売上高1兆円を目指す。

 それで永守さんとの取材の中で、直接わたしに話してくれた言葉をここで伝えたい。そこから永守重信という人の人生をくみ取ることができると思う。わたしの質問は主に若い人たちへのメッセージを伝えてくれというものである。

 まず永守さんはこんなことをいった。

 「短所を欠点として非難する経営者が多いが、そんなことをいったら、わたしなんて欠点だらけの人間だ。でもね、短所が人の個性をつくるといえば、人は随分大きくなる。わたしなんて欠点だらけの人間だ。女房からはいつも笑われている。この間なんか、ポマードで歯を磨いたことがある」

 結果がすべてというのではない。その過程を味わってこそ、結果の成果がより美しく輝いて見える。

 「たとえば、富士山登山を例に出せばわかりやすい。わたしらの頃は、富士山に登ろうとすれば、2泊3日くらいの準備をして富士駅にいった。嵐になることも予想すれば、さらに2日分くらい余計に荷物を積んだ。そうして登るから、あとで、富士登山の価値を互いに語ることができる」

 「でも、今は5合目まで車でいって、そこから頂上に上る人がほとんどだ。それなんかまだいい方で、ヘリコプターでいくやつもいる。それで富士山に登ってきたと喋っているが、それでは感動がない。途中経過があってこそ結果も価値がある。やったよ、という思いは楽して得るものではなく、過程なんだ。それを、勘違いして、なんでも楽して、結果さえよければ満足だと思っている若い人がいるのは、感動の質を誤解している」

 ここで堀江貴文の話が出たが、彼の行動を非難したものではない。ただ、こんなふうに永守さんは話した。

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