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日本的組織の強みを活かしきるポイントは「理念」

~産業再生機構 マネージングディレクター(当時) 小城武彦(2)

2006年10月26日(木)

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 職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人を招き、自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。第8回は、産業再生機構(当時)の小城武彦氏がゲスト。今回は、これまでの経験からみえてきた日本企業の強さと弱さをお聞きする。

産業再生機構 マネージングディレクター(当時) 小城武彦氏

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 最近、日本型の経営について見直す議論がでてきましたが、日本的な組織の経営というのは、とても難しいものだとつくづく考えています。

 議論を整理して進めるために、少々乱暴ですが、企業組織を2つの類型に分けて議論を進めたいと思います。。1つは帰属型組織、もう一方は参加型組織。前者は日本的な組織、後者はアメリカ的な組織と呼んでもいいかもしれません。少し違和感があるかもしれまえんが、少し辛抱してお聞きいただければと思います。ちなみに、この分類は、一橋大学の伊丹敬之教授の分類方法にならったものです。

 皆さんも実感としてお分かりになると思うのですが、日本の会社って社員が「帰属する組織」なんです。つまり、社員が長期間、多くの場合、一生涯、その会社に勤めることを想定して働いている。経営者もそれを期待している。一方、いわゆる外資系は「参加する組織」です。

 社員は、ある目的があって会社に勤める。それを達成したり、もしくは、できないときは離脱することを初めから想定して組織に入っている。経営者もそれを期待している。

「帰属型」は組織へのロイヤリティーが高く、裁量権が大きい

 制度面でいうと、帰属型は終身雇用。年功序列まではいかないとしても、年功的要素が加味された人事制度をもち、企業別組合があることが多い。 一方、参加型は終身雇用も年功もない。そして、金銭インセンティブを多用する傾向にある。

 権限の面で言えば、帰属型は中間管理層の裁量が大きく、融通が利く。ただ、その裏返しとして、責任が曖昧なことがよくある。逆に参加型は職務主義。誰が来てもすぐ仕事に就けるよう、(仕事の)定義・責任体制が明確です。

 株主の規律の面で言えば、帰属型では、従来株主からの規律は弱った。ここ数年でこの傾向には大きな修正が入ってきていますが。一方、参加型では、昔から株主の規律が強かった。

 経営者の面で言えば、帰属型では経営層は内部昇格が大半である一方、参加型では社外の人が株主に招聘され着任することが多い。

 ただ、注意いただきたいのは、日本だって参加型の組織は山ほどあるし、逆にアメリカにも帰属型の組織は存在する。従って、「日本はこう、アメリカはこう」という議論をすることが目的ではなく、また、「どっちがいい」という議論でもないと、ご理解ください。

 取りあえず、こんな分類をしながら、(今後の企業経営は)どうしたらいいのかという話をしたいと思います。

帰属型(日本型)はうまくいけば高モチベーション、低人件費に

 ここ数年、帰属型の組織は受難の時代をすごしてきました。

 特に、資本市場から、帰属型組織に対する批判が大変多かった。 資本市場とのシンクロ度を考えてみると、圧倒的に参加型に分がある。

 資本のスピードに帰属型はついていけない。レイオフをしないため「人材」という経営資源をダイナミックに変動させることができないわけです。したがって、帰属型組織がグローバル化した資本市場に触れた途端大きな齟齬が発生した。資本市場から見たときに、帰属型は、戦略の変更能力がないとか、官僚化した組織が生産性を下げ、収益性も悪いと見られる。したがって、「もう少し、こっち(参加型)に移れよ」という話がずいぶん言われてきたわけです。

 一時、盲目的に成果主義の導入が進んだことがその一例です。

 これに対して僕は、「ちょっと違う」と思っています。帰属型組織が必然的に低パフォーマンスになるのではない。 実際、トヨタやキヤノンを見ても分かるとおり、どう見ても帰属型組織であるところが高い業績を上げている。

 パフォーマンスを分けるのは、企業の特徴そのものにあるのではなく、その経営の質にあるというのが私の見解です。

 この点をもう少しご理解いただくために、帰属型組織が高いパフォーマンスを示す場合と逆に低いパフォーマンスしか示せない場合を、その構成要素である、社員、経営者それぞれの観点から、分析してみたいと思います。

 まず、社員の方から話をします。

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「日本的組織の強みを活かしきるポイントは「理念」」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士