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【ヒットの“共犯者”に聞く】
涼宮ハルヒの場合 VI

ランティスのプロデューサーにインタビュー その1

2006年11月1日(水)

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 不定期連載「ヒットの“共犯者”に聞く」。「涼宮ハルヒの憂鬱」編の第2回は、「ハルヒ」の音楽CDを発売している、ランティスの井上俊次社長、松村起代子取締役、現場で「ハルヒ」の音楽を担当した斎藤滋プロデューサーにお話を聞きます(本企画の趣旨は第1回の、角川スニーカー文庫編集部編をお読み下さい。こちらです)。

「涼宮ハルヒの憂鬱」音楽CD

 聞き手は私と、ウェブサイト「[mi]みたいもん!」の、いしたにまさき氏です。

 いしたに氏は、このアニメを取り上げ、ウェブで大きな話題になったエントリ、「涼宮ハルヒが起こしたYouTubeの憂鬱、ネットマーケティングの大成功例。」の筆者。これを読んで、ぜひ力を借りたいとお願いし、取材に同行して頂きました。

 前回同様この記事は、発言にできるだけ手を加えていません。ご自身で考えるソースとして使っていただければと思います。結論ありきの構成ではないため、若干読みにくいかもしれませんが、どうぞご了解下さい。記事をお読み頂いたあなたの分析や、この人にこんなことを聞いて欲しい、といったご意見は大歓迎です。

 ランティス編は、本日から以下の構成でお届けします。

その1 「ファンと“遊んで”ヒットが生まれた」(本記事)
その2 「“土作り”から始めるとやっぱり当たる」
その3 「12話と『詰合』ができるまで」
その4 「仕事を忘れるチームを作る。だから平野綾」
その5 「『売れても恥ずかしくないもの』を作る」

(聞き手:日経ビジネスオンライン 山中 浩之)


ファンと“遊んで”ヒットが生まれた

いしたに 僕の周りに、この「涼宮ハルヒの憂鬱」を見始めて、初めてハードディスクレコーダーを買ったという人間がいっぱいいるんです。

-- 分かる、分かる。深夜アニメって、放送時間が午前2時以降だったり、局どうしで時間帯が重なったり、放映時間がずれたりするからね。で、その一方で、この番組は音楽CDもえらく売れた、と評判になりました。「ハルヒ」、音楽ビジネスの立場からどうご覧になってますか。

井上 10年ほど前にすごいブームになった「エヴァ(新世紀エヴァンゲリオン)」がありますね。ああいう社会現象的なブームに似ているんじゃないかと。ただし、あちらは全国ネットで夕方放映、映画もやった、メジャーな存在だったんですけど、こちらはU局(UHF局)中心、深夜枠と、まさしくネットを含めて、少し「濃い」部分の方々からスタートした。

 それでも番組が話題になり、「HEY!HEY!HEY!」(フジテレビジョンの音楽番組)からお呼びがかかって、主人公の声優で主題歌も歌う平野綾さんが出演したりして、一般のマスコミの方々から注目をしていただいている、そんな状況ですね。新聞社さんもけっこう取り上げて下さいましね。

-- で、ランティスさんの「ハルヒ」関連音楽CDはどれぐらい出たんでしょうか。

左が主題歌、右がエンディングテーマのCD
左が主題歌、右がエンディングテーマのCD

斎藤 CDはエンディングテーマが約12万枚で、オリコンウィークリーシングルチャート最高5位。劇中の挿入歌集は約12万枚で、こちらも5位。主題歌が8万枚で10位。この他にキャラクターソング集が3枚出ていまして、その合計が現状約15万枚ですね。いずれも7月時点の数字です。

-- 全部合わせて47万枚ですか。公称値は2割、3割引いておかないとみたいなことも言いますが。

井上 そうですね、でもこれは水増ししていない数字です。1000枚ぐらい引いてください(笑)。

-- こちらの業界に疎いので、まず教えていただきたいんですけど、この数字そのものは、業界的にどう評価されるレベルなんでしょう。深夜アニメ枠の楽曲としては。

松村 それはもう、本当に作品によっていろいろですが、ハルヒの曲はほかの作品とは全然勢いが違います、群を抜いて。

-- DVDですが最近の『ガンダム』シリーズは1本10万枚っていわれているじゃないですか。でもそれは別格で、アニメのDVDだとセル(レンタルを含まない)1万5000枚でヒット、という感じだそうですね。

井上 ええ、2万いけば、わりと胸を張って通れる数字ですね。

いしたに DVDで2万ぐらいが胸を張るラインとすると、CDの場合は。

井上 どうでしょう、4万とか。

松村 うん。

井上 2006年春シーズンのほぼトップクラスだと思いますね。オープニングテーマはあと6万で累計12万、エンディングは最終的には15万ぐらいいきそうだね。そういう感じですね。

-- エンディングが一番売れるというのはまた面白いですよね。噂話ですが、エンディングのCDが3回も店頭品切れを起こしたとか。

「えらいことになる」と、自己リスクで在庫を

井上 あのCDは発売がちょうどゴールデンウイークの前後だったんです。オープニングの発売がゴールデンウイーク前で、エンディングがゴールデンウイークの最中。

松村 5月10日、GW直後です。

井上 ネット上でハルヒのエンディングを1位にしようという運動が盛り上がっていまして、それで彼(斎藤プロデューサー)が僕の所へ「すごいですよ、えらいことになりますよ」と。そうしていくうちに、お店(CDショップ)の反応がだんだんよくなってきて、これはしっかりと対応しなきゃいけないなと思ったんですよね。

 確かにイニシャル(初期出荷)は1万ぐらいだったんですよ。でも、1万のイニシャルで出ているのに、弊社として在庫を3万5000ぐらい持っていたんですね。

-- ランティスさんのリスクで、注文がないけど作っておいたわけですか。

井上 自慢するみたいに聞こえるかもしれませんけれど、これって、なかなかできないことなんです。お店から発注は来ていないけれど、うちでストックとして、工場に3万5000ストックして、さらにその後すぐに1万、1万と入れられるような体制にしておいたんですよ。賭けといえば賭けなんですけれども、ただ、応援してくれている人たちの声を裏切らないようにするのが一番かなと思って。

-- 発売日は品切れの報告がネットで相次ぎましたが。

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「【ヒットの“共犯者”に聞く】
涼宮ハルヒの場合 VI」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師