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「一芸」に秀でるためには「総合力」が必要

~陸上コーチ 高野進~

  • 茂木 健一郎

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2006年11月15日(水)

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 「総合的な人間力がないと、一芸に秀でない」。僕がこのところ非常に気になっているテーマです。先日、京都大学でシンポジウムがあり、そこで「理論物理学者の湯川秀樹がそうだった」と気づいたのが、一つの発見でした。湯川秀樹は子供の頃から論語を読むといった教育を徹底して受けていました。

 今回、お話を伺った陸上競技のコーチ・高野進さんは「ただ足が速いだけじゃダメだ。陸上は総合的な人間力の勝負だ」と、現役の選手を指導していると言います。

 陸上競技や、湯川秀樹の理論物理学にしても、どちらかと言えば若い頃にその分野で突出した能力さえ持っていれば一流になれる。そのうえ、突出しないとトップにはなれないと思われている分野です。

 しかし、こうした才能こそが大事だと思われている分野においてさえ、実は背後にある総合的な人間力がなければ、本当にオリジナルなことや、一流になることができないというのが、大事な視点だと感じました。我々の仕事の現場でも常に感じることですが、「仕事ができる」というのは総合的な人間力のたまものです。

 こうした視点は、今後の教育のあり方を考える上でも重要なことです。いま、教育課程で英才教育をどうするか、あるいは大学の教養課程をどうするかなどが議論されています。こうした議論とも絡んでくる問題です。

 人間の脳のネットワークを考えると、1つの能力自体が分散した脳のネットワークの働きによって支えられています。もともと脳の中にある能力を支えるモジュールが単独で存在しているわけではなく、それ自体が膨大な裾野を持っているとも言えます。

 ですから、その裾野自体を底上げするためには、どうしても総合的な力の強化が必要です。考えてみれば当たり前のことですが、今回、高野さんと話していて、改めて確認した思いでした。

タイトル「ゴールにいるのは、新しい自分」
NHKの番組サイトへ

NHK総合テレビ
毎週木曜午後10:00~10:44
・再放送
 総合 毎週月曜 午後4:05~4:49
 BS2  毎週水曜 午後5:15~5:59
 総合 毎週木曜 午前1:10~1:54
     (水曜深夜)
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト


 日本人初のオリンピック400m走競技のファイナリスト。そして、日本陸上界のエース・末續慎吾を育て上げた名コーチ、高野進(45歳)。

 選手時代から築き上げた独自のスプリント理論で選手を鍛え上げ、日本の陸上短距離界を牽引する。その指導の根本にあるのは、選手に乗り移って教えることだ。自分自身がその選手になったつもりで、修正点を見つけ出し選手に伝える。

 その伝え方も、手取り足取り教えるものではない。要点だけを伝え、あとは、選手自身に考えさせる。そして、高野は選手たちに繰り返し伝える言葉がある。「スタート地点に立つ時、新しい自分に出会うつもりで臨め」。レースは常にプレッシャーとの戦い。それを乗り越えた時、成長した自分に出会うことができる。

 今、高野が指導に力を入れているのが、将来、末續に続く逸材と呼ばれる21歳の塚原直貴。その育成の現場に密着し、陸上を通じて、自分の壁を乗り越え飛躍する人材を育てようという高野の流儀に迫る。


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