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【わかるかも中国人】(10)
「芸術オタクvsマーケッター」の図式

上海版「朝まで生テレビ」があぶり出した現実

  • 中村 正人

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2006年11月20日(月)

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 市街地に巨大なポップアートの彫刻まで出現させた上海市政府が向かう先は、とどまることを知らないハコモノ主義。だが、いくら立派なハコでも中身が伴わなければ、自ら掲げる「文化都市」の看板も見掛け倒しだ。そうでなくても、バブリーなハコモノ建設を主導する役人たちの顔つきは汚職の臭いがプンプン。それを風刺するのは、いまや政府も公認する中国現代アートの定番だ。

ハコモノ開発に明け暮れる政府役人の下卑た表情をことさら描く (C)ShangART

 

 先ごろ(11月5日)閉幕した現代アートの祭典・第6回上海ビエンナーレは、「超設計(ハイパーデザイン)」というテーマのもと、メイン会場である上海美術館に多数の外国人アーチストを招聘して行われた。市政府主催の国際美術展ということでずいぶん宣伝されたせいか、主催者によると、上海の若い世代を中心に21万4413人を動員した。

 この数は日本で開かれるこの種のイベントと比べてもかなりの盛況といえる(ちなみに昨年開かれた第2回横浜トリエンナーレの総入場者数が18万9568人)。ところが、前評判は必ずしも芳しいものではなかった。金をかけたイベントだけに、本当に現代アートで集客を見込めるのか、というのが上海人の間でも大いに疑問だったからである。

人気番組「頭脳風暴」で討論、美術とビジネス

 こうした懐疑を背景に、あるテレビ局が上海ビエンナーレに関する視聴者参加の討論番組を放映していた。テーマは「美術展覧会にマーケティングは必要か」。広告代理店が世を牛耳る日本では決着済みともいえる、そんな青臭い議論に熱くなれるのがいまの上海。どんな議論が行われたのか、耳を傾けてみたい。

 番組名は、中国の投資家のための情報チャンネル・第一財経が制作する『頭脳風暴(ブレインストーミングの意、URLはこちら』。上海版「朝まで生テレビ」ともいうべき人気討論番組だ。国内外の著名な経済人をパネラーとして呼び、話題の経済トピックスや事件、人物、流行などからテーマを選び、一般観覧者とともに激論するというもの。上海を代表するテレビ局・東方電視台でも放映されている。2003年に始まり、全国の視聴者数は2000万人という。

日本でもCSの中国専門チャンネルで放映している「頭脳風暴」

 

 この番組に出演した日本人もすでに何人かいる。上海に世界一の高層ビルを建設予定だという森ビル社長や、ソニー中国支社長、富士通副社長など。司会者は、アメリカ留学帰りの経営コンサルタント・袁岳氏。見るからにやり手といった風貌の人物だ。

 収録日は8月23日。パネラーとして出演したのは、当連載の前々回でも紹介した上海ビエンナーレ総監督の張晴氏と、中国美術アカデミー界の重鎮・中国美術学院の許江学院長。対するは、端安グループ総裁・王英偉氏ほか中国マーケティング業界を代表する論客の面々だ。

 司会者はこう切り出した。「上海ビエンナーレはこの10年ですばらしい芸術的な成功を収めました。みな一様に認めているところでしょう。しかし、財政的には政府の資金にほとんど頼っていて、民間からの賛助は稀です。スポンサー企業も少ない。そこで、今日は中国を代表するマーケティングの専門家の方々にご出演いただき、視聴者の皆さんと一緒にビエンナーレの財政問題について討論したいと思います」。

「マーケティング努力が足りない」

 それに応ずるように、論客の面々は日ごろ使い慣れた巧みな弁説を操り視聴者に訴えかける。「これだけすばらしい芸術家を世界から呼ぶにはお金がかかって当然。しかし、それをすべて政府からの資金に依存するようではいかがなものか。マーケティングが足りなすぎるのではないでしょうか」。

「2007→2010 上海マーケティングツアー 」のバックナンバー

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