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「集団皿回し」で潰れていく日本

~マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング柴田励司社長(2)

2006年12月14日(木)

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 職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語っていただくトークセッション「Road to CEO」。今回は、世界最大の組織・人事マネジメント・コンサルティング会社、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングの日本法人を率いる柴田励司氏をゲストに迎えた。今回は、在オランダ日本大使館への出向から京王プラザホテルに戻り、そこで行った人事制度改革の中身と、組織運営の秘訣と人事の課題について語る。

マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング 柴田励司社長

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司会、山中(以下Y) 戻られて最初はフロントに行かれたんですね。

 ええ。夜のフロントです。ちょうど暴力団新法が施行される前で、しかもバブルでしたから、毎日、“普通ではない”方々との戦いでした。

Y ああ…当時の新宿ですもんね。

 夜中に電話がかかってきて、すごく明るい声で、「すみません、包丁を貸してください」。「何にお使いになるんですか」と言ったら、「不始末をしたやつがいるので、指を詰めるんです」。そんな話がいっぱいあるんですよ。

Y フロントから、人事の担当となりますね。

 (ホテルの)夜中の2時から5時ぐらいって暇なので、そのときにみんな帰れないものですから、バーテンダーは練習したりとか、宴会場に布団敷いて寝ていたりします。(そういう場に)入っていって、「どうだ」みたいな話をしていましたら、「いろいろ文句がある」と。「これは何とかしなくちゃいけない」と言ってたら、組合の執行役員から、「そんな辻説法みたいなことをやっているなら組合に来てやれ」と言われて、組合に行きました。

 組合に行って、団体交渉の場でがんがんそういうのをやっていたら、総支配人から、「そんなに文句があるなら会社側に来てやれ」と言われて。一時期、人事部でありながら、組合の執行役員でもありました。それで(最終的に)人事に移ったんです。

転職のきっかけは「前例はあるか」

Y 具体的にどんなことに取り組まれたんでしょうか。

 ホテルの人事制度が親会社の電鉄から来ているものでしたから、お客さんにサービスして喜んでもらえる人でも、管理職にならないと給料が上がらない、これはおかしいと。

 あとは、学歴の差がずっとあって、高卒で入った人はずっと給与が低いままなんです。大卒がぽっと来て、全然仕事ができなくて、高卒の人に教えてもらっていても、給料は大卒の方が全然高い。これもおかしい。あとは、当時、京王プラザホテルには日本一のバーテンダーや菓子職人がいて、そういう人たちがエキスパートという認定職で、総支配人に近いぐらいのお金をもらえるようなことをやりました。

 いろいろ紆余曲折があったので、3年ぐらいかかったと思います。現職の部長とか支配人がポジションを失う話がたくさんあったし、一緒にやった(人事の)上の人が2回連続して飛ばされまして、結構大変でした。

Y 人事制度がテイクオフすれば、制度をつくった功労者は、それなりに認められますよね。「給料がよくなり、エリートコースに乗れる」とか期待しませんでしたか。

 一緒に制度づくりをやってくれた人事部長が、もともとマーケティング畑の人だったのでマーケティングの方に戻ったんです。(代わりに)旧態依然たる人事部長が戻ってきて、途端に前例踏襲になってしまって新しいことが全部消えちゃった、これはいかんと思いましたね。

Y それが転職のきっかけということに。

 そうですね。あとは、当時30歳ぐらいですけど、やり過ぎちゃいまして。「次の総支配人は誰でしょうか」とか、「この支配人はパフォーマンスが悪いから代えたらいい」みたいなことをやったものですから、みんなが使いたがらなくなって、仕事が激減しました。

Y 干されちゃったと。転職をお考えになるときに、最初から人材系コンサルティングに行きたいとお考えだったんでしょうか。

 そうです。実は、(人事制度の改訂は)過去2回つぶれていますから、そのたびに外部のコンサルティング会社の人を呼んで一緒にやっていました。「ああ、コンサルタントという仕事があるんだ、自分もできそうだな」という思いがあったものですから。

Y 転職に関して、最後のきっかけといいますか、踏ん切りがついたことってご記憶にないですか。

 そろそろ卒業かと思っていたのは事実です。通常は3年滞留しないと上に行けないというものを、ある一定以上の成績を取った場合には、1年半とか2年でも行けますよというスピード昇格の新制度を入れたんです。

 私ともう1人がその対象になったところ、新しい部長が「前例があるのか」と聞いてきて、そんなのあるわけないですよね、新しい制度で。「ない」と話をしたら、「じゃあ、ちょっと今回は見合わせておこうか」と。それで背中を押された感じがして。

Y ああ、もうだめだと。

 だめというか、ちょっときついなと思って。

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「「集団皿回し」で潰れていく日本」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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