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「失敗から学ぶ」を阻害する2つの障壁

~海獣医師・勝俣悦子~

  • 茂木 健一郎

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2006年12月13日(水)

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 失敗から学ぶことの大切さは、誰しも認識している。しかしそれを阻害する2つの障壁がある。1つは、記録を取っていないこと。何をして、どういうプロトコルでやった結果がどうなったか。この記録と結果の対照表がなければ、失敗を解析して学ぶことはできない。

 もう1つは心理的な障壁だ。人間の場合、失敗するとどうしてもそれを忘れてしまいたいと思うことが多い。だからその心理的な障壁を乗り越えて失敗と向き合うことが難しい。

 自分が間違いを犯してそれを改めるのは、それに気づいた瞬間にやるのが一番良い。自分の失敗に気づいて改められないのは心理的な問題であることが多い。しかしそれ自体が機会の遺失である。改めるまでの時間が長くかかればかかるほど、取り返しのつかないことになりがちだ。

 今回、お話を伺った鴨川シーワールドの海獣医師である勝俣悦子さんは、意思決定が速い。いつどのような手段で治療行為に入り、対象に介入するか。その判断に、失敗から学んだ経験が生きている。

 イルカやシャチ、セイウチなどの海獣は、体調の不良を自分から訴えてはくれない。むしろ生存競争の中にいる動物の本能として、不調をぎりぎりまで隠そうとする。わずかな兆候が現れたときには、一刻の猶予もない場合が多い。

 勝俣さんは有限の時間の中で意思決定しなければいけないことを分かっている人だ。現実にはなかなかできないが、間違いに気づいたらその場で直すというのが一番正しい戦略だ。そのことに、海獣に向き合うことでたどりついたのが素晴らしい。

かあちゃん、命と向き合う~海獣医師・勝俣悦子~
NHKの番組サイトへ

NHK総合テレビ
12月14日(木)午後10:00~10:44
・再放送
 総合 毎週月曜 午後4:05~4:49
 BS2  毎週水曜 午後5:15~5:59
 総合 毎週木曜 午前1:10~1:54
     (水曜深夜)
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト

 イルカ・シャチ・アシカなどの「海獣」を専門に扱う獣医師として、世界的に注目を集める一人の女性がいる。海獣医師・勝俣悦子(53)。

勝俣は、千葉県鴨川にある水族館で海獣の治療に当たりながら、不可能といわれたイルカの人工授精を日本で初めて成功するなど、海獣医師の先駆者として走り続けている。

  水中で生活する海獣には、レントゲン検査や外科手術を施すことが難しく、病因が分からないことも多い。一瞬一瞬の判断が生死を分けるギリギリの現場で、勝俣は常に「攻め」の姿勢を貫く。なぜなら、イルカやシャチは具合が悪くなるとあっという間に死んでしまう繊細な動物だからだ。症例が乏しく、歴史が浅い世界において、勝俣は攻めつづけることで、道を切り開いてきた。

 水族館の舞台裏で繰り広げられる、知られざる「生命のドラマ」に密着する。


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