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【わかるかも中国人】(14)
「スーパー80年代生まれ」の肖像
~中国社会も悩む“一人っ子政策”の申し子たち

  • 中村 正人

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2006年12月18日(月)

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 前回紹介したコスプレパーティを楽しむ上海の若者たちは、経済的繁栄の中で自由を謳歌していた。「いいとこのお坊ちゃん、お嬢ちゃん」に見える彼らは、今の中国社会からはどのように見られているのだろうか。

1980年代に生まれた若者たちの写真展

 年代的に見れば20代前半、彼らは1980年代以降に生まれた若者たちだ。それゆえ中国では“「80後」世代”(80年代生まれの世代)と呼ばれる。中国の都市部に限れば、1979年頃から実施された一人っ子政策の申し子たちである。

 そんな「80後」世代をテーマにした写真展が、2006年4月27日~6月7日、上海で開かれた。「スーパー80年代生まれ撮影展(超級80’年代撮影展)」である。今回はその写真展を通して、いわば新しい中国を担う世代(それは日本企業にとっても今後の中国における中核マーケットであるはずだ)の考え方や行動規範、社会における存在の意味について探ってみたい。

epSITE Shanghaiは画廊とラボを併設。ワークショップやシンポジウムも行われる

 同展覧会が開かれたのは、旧フランス租界の目抜き通りだった淮海中路、ベネトンビルの中にある「epSITE Shanghai」。プリンター事業で知られるセイコーエプソンが、新しいデジタル写真のテクノロジーを体験してもらうために中国各地に展開したショーケースとして、2003年にオープンした写真専門の画廊だ。中国には上海と北京にある。

 これまで国内外の写真家の作品展を積極的に行い、新しい写真アートを紹介してきた。写真家の選定や企画運営は現地中国人スタッフが独自に行っている。急速に変わりゆく上海の街頭の風景から中国の知られざる秘境まで、扱うテーマは幅広い。2005年12月には中国でも人気の高い写真家・森山大道展が開催され、トークショーも行われた。

「どこから聞きつけたのか、会場には予想以上に多くの若者が集まってきた。最近の中国の若い世代の文化的な嗅覚の鋭さを感じました」

 同画廊を立ち上げたエプサイトの鵜沢淑人さんはトークショーの盛況ぶりに驚いたという。

 「スーパー80年代生まれ撮影展」は、1980年代生まれの中国人80人を自室で撮ったポートレートを展示したものだ。上海の若者向け雑誌「城市画報」と共同で企画され、若者たちの写真は同誌2006年3月10日号に掲載するため、約半年かけて全国の写真家たちによって人選から撮影まで行われた。

 epSITE現地スタッフの川島真佐子さんによると、「現代社会における80年代生まれの中国人のあらゆる面をカバーしようと、低所得者から高収入層までいろいろなタイプの若者を選んだ」という。

 だが、実際に会場で見る限り、被写体として目につくのは、どこか似通った若者たちだった。年齢で言えば17歳から26歳、大学生から社会人数年目の若者だが、それぞれのプロフィールには、写真家やイラストレーター、ウェブ編集者、モデル、ダンサー、DJ、エアホステスなど、カタカナ職業名が並ぶ。中には鉄道模型コレクターや主婦兼作家なんて子もいる。「クリエーター」周辺に職種が偏っている。

「自分の部屋」が一番の自慢

モデル(1988年生まれ)。深セン在住。16歳のとき、2004年世界モデル大会中国予選で優勝。自室にて (c)epSITE Shanghai

 撮影現場が大学の寮やマンションの1室など、彼らの自室であることも特徴だ。そこには本人の仕事や趣味に関するコレクションが誇らしげに飾られている。「被写体の皆さんに『あなたが最も自分を出せる空間で撮らせてほしい』と伝えたところ、ほとんどの人が自室を選びました。『自分の好きなように飾りつけてもいいですよ』と伝えたので、その人なりの個性が出ていると思います」と川島さんは言う。

 その結果、本人の好きなもの、大切なものだけを集めた秘密のお部屋の大公開になった。彼らは思い思いのポーズでリラックスしてソファやベッドに腰掛け、カメラに向かって微笑んでいる。その肩の力の抜け具合は、記念撮影となれば過剰なまでに時代がかったポーズをつけるのがお決まりだった、一昔前の中国人とは全くの別人種に見える。

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