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【わかるかも中国人】(15)
70年代生まれは「自分探し」の世代
~天安門とおこちゃま達のハザマで

  • 中村 正人

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2006年12月25日(月)

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 ドーハ・アジア大会でひたすらメダルを量産した中国だが、そこで活躍した選手の多くは“「80後」世代”(1980年代生まれの世代)である。近年、この世代の中国人が海外で注目されている。

TIME2004年2月2日号の表紙を飾った春樹。「フェイクカバー(偽の表紙)」(当連載3回周鉄海の作品を参照)でないところが「スーパー80年世代」だ 当連載3回周鉄海の作品を参照当連載3回周鉄海の作品を参照

 たとえば、2004年2月、「TIME」の表紙を飾ったのが、『北京ドール:17歳の少女の残酷な青春の告白』でデビューした春樹という23歳の作家。同誌によれば、彼女は中国の“The New Radicals”ということになるらしい。欧米人はよく途上国の若い世代について勝手な思い込みをするものだが、彼らの目からは「反逆の世代」に映るのだろう。

 前回、「80後」世代がこれまでの中国人イメージからいかに超越した存在に見えるかを紹介したが、今回はその兄貴分にあたる“「70後」世代”(1970年代生まれの世代)についても考えてみたい。「80後」世代のような中国人がいきなり現れたわけではないことも知っておくべきだと思うからだ。

 「70後」世代の代表人物といえば、邦訳もされた『上海ベイビー』(1999年)の作者・衛慧(Wei Hui ,1973年生まれ)だろう。作者とおぼしきヒロインと外国人男性の奔放な性やドラッグにおぼれる1990年代後半の上海の都市風俗を描き、発禁処分になったという小説を書いた彼女は、改革開放後に育った中国人の第1世代である。

 彼女はあるインタビューの中で中国人記者の「80年代生まれの作家をどう評価するか」との質問に答え、明快に自分の世代を規定している。

中国の「新人類」という自覚

「70年代生まれは、文革の記憶がなく、市場経済の発展の中で成長した世代。新しい消費社会の文化を代表する中国の『新人類』と言えます。ただ、年長の世代とのギャップの大きさに比べると、80年代生まれとの違いは小さいと思う」

衛慧は上海の名門、復旦大学出身。中国国内では「マーケティングのうまい作家」「下半身文学」等、手厳しい評価も 衛慧のサイト

 作品発表後、中国で賛否両論の反響を呼び、世界各国で翻訳されたベストセラー小説の書き手である衛慧が属する20代後半から30代前半の「70後」世代と、10代後半から20代にかけての「80後」世代。実際、どれほど違うものだろうか。「世代論」が熱く語られることがなくなって久しい日本人の感覚からすると、わかりにくくて当然かもしれない。

 だが、当連載で何度も指摘してきたように、中国人の世代間ギャップは日本人に比べると尋常でなく大きいのだ。

 そのギャップがどの程度のものか、理解するには中国の流行の変遷が参考になる。以下、「1978~2002 中国25年流行全記録」のリストの中から日本人に理解しやすいものを抜粋してみた。日本と中国の流行のタイムラグと、それが確実に縮まってきたこの20数年間、彼らがどんな時代を生きてきたのか、想像力を働かせてみたい。

1979年 コカコーラ初登場
1982年 山口百恵「赤いシリーズ」人気に
1984年 中国初のファストフード店登場
1985年 ゴルフが合法化
1987年 ケンタッキー第1号店北京に出店。ゲームセンター誕生
1989年 香港芸能人が人気に
1991年 カラオケブーム到来
1992年 インスタントラーメン普及
1994年 台湾経由で日本芸能ブーム到来。安室奈美恵、木村拓哉が人気に
1996年 インターネットカフェが上海に出現
1997年 香港返還。香港文化全土に流行
1999年 オンラインゲーム流行
2000年 ミレニアム婚ブーム。MP3流行
2001年 『クレヨンしんちゃん』若者限定の人気。同性愛が話題に
2002年 携帯電話メールが爆発的な人気に

 1970年代の終わりにようやくコカコーラを手にしたばかりの人たちが、その10数年後にはネットカフェでオンラインゲームを楽しむようになる――。

 この国の時代の流れの加速度には驚きを禁じえない。ブルジョワ的との理由から禁じられていた「ゴルフが合法化」されたのが80年代半ば、なのである。つい20年前の話である。これほど変化の激しい国では、人生のどの段階で社会の急変期を経験したかが、人間の内面のありようを大きく左右するに違いない。

90年代後半には、日本とほぼ同じ流行を体験

 たとえば、70年代生まれと80年代生まれがそれぞれ10代の多感な頃に出合った流行を比べてみると、両者の違いは鮮明だ。前者が1980年代に「ケンタッキー第1号店」「ゲームセンター誕生」(1987年)で騒いでいたのに対し、後者は90年代、「台湾経由で日本芸能ブーム到来」(94年)をへて、「インターネットカフェ出現」(96年)の頃には日本の若者とほぼ同時期にそれを経験しているのである。

 「80後」世代は、幼少期から思春期へのわずかな期間に一足飛びで、世界の先進国の若者と同時代を生きることになった。「70後」世代と「80後」世代の分かれ目は、自己形成期を90年代以降に過ごしたかどうかにあるといえそうだ。中国の「新人類」といわれる「70後」世代も、さすがにそのギャップを認めざるを得ないだろう。

 では、「70後」世代とはどのような人たちなのか。

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