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経済合理性と「幸せ」の新たな関係

~企業再生弁護士 村松謙一~

  • 茂木 健一郎

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2007年1月10日(水)

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 破綻したり倒産したりした企業の再生に取り組んでいる村松謙一弁護士の話をうかがっていて、統計的な数字で表れない実感に立脚する現場感覚の大切さを感じた。

 経済合理性を追求して、弱い企業は退場して、強い企業が残るというのは、抽象的な経済システムの概念の中では成立するけれど、現実の生身の人間の生理や生活観を考えると必ずしも合理的なことは言えないのではないか。

 ある限られた枠内で経済合理性を追求することが、例えば昔なら公害のようなことを引き起こしたわけだし、今で言えば人間の側に大きなストレスを強いている。そこまで含めて考えると実はまったく合理的ではない。村松さんは、そういうことを、現場で見つめている人だ。

 実は、科学の世界でも似たようなことがある。ある文脈の中で最適化していくことが、実は全体からみるとまったく最適化できていないことがある。人間の社会については、まだそこが掴みきれていない。

 村松さんは、弱い立場を守るとか、人権を保護するといった立場からお話されていたけれど、それは単に弁護士という視点から大事なことではない。もっと大きな経済システムの設計という政策論から見て、大事なポイントを含んでいると思う。

 企業を再生する時のスキームにしても、どの程度債務を免除し、どの程度支払うのが合理的なのか、妥当なのかというのは、法的な公正さといった視点からも論じられるが、一方で経済という視点からも論じられる。

 村松さんが言われている弱者の保護といったことは、実は経済合理性と離れていることではないと思う。むしろ、本当に大きな視点からみた経済合理性なのではないか。

 人間が幸せになることと経済合理性を追求することは、必ずしも一致しないとよく言われる。しかし、それは経済合理性をもっと真面目に考えるべきであって、真剣に考えていくと、経済はもともと人間が幸せになるためにあることに行き着く。本当の経済合理性は村松さんの言われることの近くにあるのではないかと感じた。

誠実が、道を切りひらく ~企業再生弁護士 村松謙一~
NHKの番組サイトへ

NHK総合テレビ
1月11日(木)午後10:00~10:43
・再放送
 総合 毎週月曜 午後4:05~4:49
 BS2  毎週水曜 午後5:15~5:59
 総合 毎週木曜 午前1:10~1:54
     (水曜深夜)
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト

 弁護士・村松謙一(51)。東京佐川急便や長崎屋などの一部上場企業から街角の個人商店まで、再建した会社は100を越える。村松の弁護士事務所には、ひっきりなしに依頼者から連絡が入る。どれも、待ったなしの深刻なものばかり。夜逃げや自殺をほのめかす依頼者も数多い。

 村松の一番の仕事は、追い込まれた経営者の代理人として会社の舵を取り、再生の道を探ることだ。そのために村松は、自ら債権者に向き合い、法律にそって返済の猶予や債務の減額を交渉することも辞さない。

 そこには、経営難を理由に命を絶つ悲劇を少しでも減らしたいという思いがある「会社の救済は、人生の救済」。村松の信念は揺るがない。

 この秋、一つの気がかりな案件があった。経営難に陥った、ある「そば屋」からの依頼だ。親子で経営をしてきた店をいかにして立て直すか。村松の真剣勝負の流儀に迫る。



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