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時代を超えた会社を造る人(その3)

サイバーエージェント社長・藤田晋 ――“ある本”との衝撃の出会い

  • 高橋 三千綱

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2007年2月2日(金)

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 若い日に出会った本、自分に影響を与えてくれた人、そんな本と恩人を、胸の奥底に潜ませていられる人は、幸せである。なぜか。気持ちが痛くなったとき、その出会いのときの記憶を胸から取り出せば、そのときの光景は、いつだって心を温かく、豊かにさせてくれるからである。

 藤田晋さんは、読書家である。彼が多忙なことはいうまでもないが、その合間を縫って毎月10冊以上の本を読む。

 その藤田さんが学生時代に出会った1冊の本が、起業家を志す彼を目覚めさせたのである。その本のタイトルは『ビジョナリーカンパニー』(J・コリンズ/J・ポラス著、山岡洋一訳、日経BP社)。1995年に日本で初出版され、いまもなお三十数版の重版を重ねて、読み継がれている名著である。ビジョナリーとは、未来志向、先見性という意味であり、この本では時を超えて繁栄する企業とは、どんな組織かと繰り返しいっている。

藤田 晋氏
藤田 晋(ふじた・すすむ)氏

1973年福井県生まれ。97年に青山学院大学経営学部を卒業後、人材紹介・派遣事業を展開するインテリジェンスに入社。98年に同社を退職し、サイバーエージェントを創業。社長に就任。クリック保証型のインターネット広告などを柱に売り上げを急拡大させ、2000年3月に東証マザーズ上場

 それは、これまでに信じられていた企業神話をくつがえすものだった。まず著者らは、地味な調査の末に、50年間を超えて、卓越した企業として存続したビジョナリーカンパニーには、世間で信じられていたような、カリスマ的指導者が見あたらず、また、会社設立にかりたてるような、素晴らしいアイデアなどなかった、といっていることである。

 この本の中で著者は、大学をでたばかりで米HP(ヒューレット・パッカード)をつくったふたりのエンジニアの片割れ、ビル・ヒューレットさんの言葉を、こんなふうに引用している。

 「たまにビジネス・スクールで講演する機会があるが、会社をはじめたときに、なんの計画もなく、臨機応変になんでもやったというと、経営学の教授はあぜんとする。わたしたちは、カネになりそうなことは、なんでもやってみた。ボーリングのファウルライン表示器、望遠鏡のクロック・ドライブ、便器に自動的に水を流す装置、減量のためのショック装置などだ。たった約500ドルの資本金しかなかったから、だれかが自分たちにできそうだと考えたものは、なんでもやってみた」

 1937年のことで、これらの製品は市場で話題になることなく、消えていった。何にでも手をだしたHPが、飛躍するのは、それから5年以上も待たなければならなかった。

 また、著者はソニーのことにも言及している。

 「井深大が1945年8月に会社を設立したとき、具体的な製品のアイデアはなかった。それどころか、井深大と7人の社員は、会社がはじまったあとで、どんな製品をつくるか、意見を出し合った。(中略)和菓子からミニ・ゴルフ場、計算尺まで、いろいろ奇抜なアイデアが出た。それだけでなく、ソニーが初めて取り組んだ簡単な炊飯器の試作品は、まともに動かず、初めての本格的な製品、テープレコーダーは、まったく売れなかった。設立当初のソニーは、布に電線を縫いつけて、粗雑だが、売り物にはなる電気座ぶとんをつくって、なんとか現金収入を得ていた」

 このエピソードは故盛田昭夫さんらが書いた『MADE IN JAPAN』(朝日文庫)などで語られているもののようだが、確かに興味深い話である。

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