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全力を尽くした失敗は、人を感動させる

~庭師・北山安夫~

  • 茂木 健一郎

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2007年2月14日(水)

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 「全力を尽くした失敗は、人を感動させる」
 今回お話を伺った庭師の北山安夫さんの言葉に僕は心を打たれた。北山さんは、1つの庭を10年、20年のスパンで手がけ、さらにそれが100年後、200年後にどうなるかを考えた仕事をしていらっしゃる。そこから導かれた流儀の1つにこうした価値観がある。

 全力を尽くしたうえでの失敗は、手を抜いて成功するよりも良いことだ。しかもそれは人に感動を与えるという。これは、企業がどういう姿勢で経営していくかを考えるうえでも非常に重要なことだ。単に失敗してはいけないということではない。誠心誠意、全力で努力するということが大事なのだ。

 例えば、不二家の問題にしても、なぜ消費者が怒ったのか。ベストを尽くしていて、それでも仕方がなく品質の悪いものがたまたま出てしまったのであれば、そんなに怒らなかったはずだ。食品を扱う会社が、いい加減な姿勢だったということに怒ったのだ。

 「失敗を恐れる」という風潮の背後には、成果主義に対する誤った認識があるのだろう。

 例えば、「ニート」という言葉にしても、もともとイギリスで出てきた時の文脈は、社会的なリソースを得られない若者がいることだった。つまり仕事が得られないばかりか、教育の機会も与えられない若者たちがいて、それが問題である。むしろ若者たちは被害者であるという文脈で出てきているにもかかわらず、日本ではいつの間にか、ニートがあたかも自分たちが甘えているから、悪いのだという文脈で語られている。いつのまにかすり替えられて、全く元の文脈とは違っている。

 いま日本で語られる「成果主義」についても、極端なことを言えば、どんなずるいことをやってもとにかく数字さえ上げればいいと取られがちである。しかし、それは違うと、みんな直感的に思っている。

 高度成長期の「モーレツ」などという言葉は、当時の青春ドラマを見ても分かるように、案外、全力投球して失敗したのならば、それはそれでいいんだという価値観があった。今は本当に身もフタもない成果主義だ。

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出過ぎた杭(くい)は誰にも打てない
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NHK総合テレビ
2月15日(木)午後10:00~10:43
・再放送
 総合 毎週月曜 午後4:05~4:49
 BS2  毎週水曜 午後5:15~5:59
 総合 毎週木曜 午前1:10~1:54
     (水曜深夜)
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 国内だけでなく海外からも高い評価を受ける孤高の庭師、北山安夫(58)。

 代表作の一つ、日本最古の禅寺・建仁寺の潮音庭(ちょうおんてい)は、中心に据えられた3つの石が四方どこから見ても正面に見えるよう計算された枯山水の庭。紅葉が色づく秋には、庭を目当てに多くの観光客が押しかける。

 庭師、北山の真骨頂は、その卓越した石組みの技術。「現場で悩むヤツはプロじゃない」と言い切る北山は、現場に入るまでに周到な準備を心がける。自ら山に分け入り、見つけてきた山石と対話する。そして一つ一つの石の形だけでなく岩目や色つやまで考慮し、無限の可能性の中から最善の配置を見いだす。それが空間に奥行きを生み出し、石と樹木という最小限の構成要素で雄大な風景を表現する。

 国指定の名庭からわずか5坪の個人の庭まで、常に見る者の心を揺さぶる庭を作り上げる北山の仕事場に密着。北山の職人としての流儀に迫る。


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