• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「失敗の評価」に見る文明の差

~技術者・渡辺誠一郎~

  • 茂木 健一郎

バックナンバー

2007年2月28日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 失敗した経験をどう評価するのか。  シリコンバレーのハイテクベンチャーの中枢にいる渡辺誠一郎さんのお話で、最も印象に残ったのは、日米の「失敗」に対する考え方の違いだった。

 シリコンバレーでは、失敗した経験があること自体を、次の企業の採用担当者やベンチャーキャピタルなどが、1つのキャリアとして評価するという。しかも概念的に、哲学としてそれが理想だというようなものではなく採用などの面で評価するところが興味深い。

 脳の学習理論としては、失敗と成功のメリハリの中から人は学ぶ。試行錯誤で学ぶしかないので、絶対に失敗してはならないということでは、学習のしようがない。失敗を許さない日本の企業経営の考え方では、ビジネスは学習することではなく別のものだと言えるだろう。こうしたところにイノベーションのスピードが大きくならない理由があるのではないか。

 失敗が評価される仕組みは、広い意味での科学主義だと思う。ある証拠に基づいて次の方向性を決めていく。米国では企業経営もある種の経験科学にしているのだと思う。

 渡辺さんの話の中で興味深かった言葉に「マドルスルー:muddle through」がある。「ブレークスルー」というのは目的指向型で、例えば青色レーザーを作るために努力を重ねた結果のようなものだ。これに対して「マドルスルー」は方向性や方法論さえも分からない状態の中でもがいているうちに、いつの間にか突き抜けている。そういうことがシリコンバレーでは意外と多いのだというのが面白かった。

次ページ >> 

シリコンバレー、疾風怒濤(しっぷうどとう)
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
3月1日(木)午後10:00~10:43
・再放送
 総合 毎週月曜 午後4:05~4:49
 BS2  毎週水曜 午後5:15~5:59
 総合 毎週木曜 午前1:10~1:54
     (水曜深夜)
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 世界中から超一流のエンジニアが集うハイテク産業の聖地・シリコンバレー。その中で生き抜く技術者・渡辺誠一郎(56)の仕事を追う。もともと、日本でメーカー勤務をしていた渡辺は、一念発起して46歳のときにこの地にベンチャー企業を創業。世界最速の無限連写機能を誇るデジタルカメラの心臓部や、世界初のハードディスク・ムービーカメラのコア技術を生み出すなど、高い評価を得てきた。現在、ベンチャー企業のCTO(最高技術責任者)として、競争が熾烈な半導体業界の荒海を漕ぎ続ける。

 今、渡辺たちはデジタルカメラの新しい楽しみ方を提案した、ある新機能の技術開発に取り組んでいる。目標はラスベガスで開かれる世界最大の家電製品見本市。だが、開発の大詰めを迎えたとき、開発の行方を左右する思わぬ知らせがもたらされた。そのとき、渡辺は、ある行動に出る……。

 世界最先端の技術開発、シリコンバレーでの1カ月に密着。熾烈な開発競争の裏側を描く。


コメント0

「茂木健一郎の「超一流の仕事脳」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員