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究極の勝ち組女性とは?

  • 遥 洋子

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2007年3月16日(金)

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 初対面の人たちと仕事でご一緒するとき、その場にいる人たちに、自ら名刺を配って挨拶に回る人と、挨拶されるがままに自らは動かない人と、その真ん中で適当に流す人がいる。

 シンポジウムのパネリストや、討論番組の出演者という立場で、私はそういう場面によく出くわす。ちなみに私は適当なタイプだ。名刺を渡せた人もいるが、渡すタイミングがなかった人に、わざわざ出向いてご挨拶するのも面倒で「ま、いっか。向こうも来ないんだし」とか思ってしまう。

 そうやって挨拶することもなく討論番組で共演することになったのが、片山さつき議員だった。氏は私のイメージどおり自らぺこぺこと全員に挨拶して回るタイプではなかった。ゆったり椅子に背中をもたせかけ、じっと周りを見渡していた。

 私はそんな氏を観察していた。皆がそれなりの挨拶を済ませたものの、それでもなおほぐれない空気の中、それぞれになにか言葉を探そうとしている時だった。ある女性が氏に言った。

「片山さんは美人ですね」

 それはあまりに唐突だった。互いを探り合っている時に投げかけるには不適切というか、少なくとも喫茶店ならいざ知らず、会議室で発言するには違和感がある言葉だった。

 私は瞬時に氏の表情を見た。氏は表情を崩すこともなく相手を一瞥した後、視線をそらして吐くように言った。

「意味わかんない」

 私は軽い衝撃を受けた。「美しい」と言われて「有難う」でも「あなたこそ」でも「そんなことないわ」でもなく、氏は確かに言ったのだ。「意味がわからない」と。私にはまだその言葉の持つ衝撃のようなものを分析しかねていた。

 本番が始まった。議論が飛び交う中で氏の個性が見え始めた。氏の発言には笑顔はなかった。相手の発言への配慮よりも、自分の発言を中断されることに怒りを隠さなかった。

 それは一見ふてぶてしくも見え、女性的好感度とは対極にあるような議論の仕方だった。そう映るのは、氏以外の女性たちの多くが、笑顔や配慮や謙虚を議論の場にすら持ち込んでいたからとも言えよう。私もその1人だった。

 意識的にせよ無意識にせよ好感度から開放されない側から見れば、氏のなんと自由に映ったことか。そもそも「好かれたい」と思っている人間の語りなど、怒りをあらわにする人間に勝てるわけがないのだ。

 氏が感情をむき出しにするほどに、私には不快と憧憬が錯綜した。

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