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成果主義と相互扶助は両立する

~中学教師・鹿嶋真弓~

  • 茂木 健一郎

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2007年4月3日(火)

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 「学び」とは情報を脳内に植えつけることだと思いがちだ。学ぶための前提条件となる脳の中のインフラのようなものが、実は他者との関係性を耕すことで身につけられる。今回お話を伺った鹿嶋真弓さんは、これを中学校の教育現場で実践されている。

 僕は以前から、学校は究極の成果主義だと思っていた。成果主義では、ともすれば個人の利害が対立するため、利己的な振る舞いが奨励されがちである。今回の話では、集団としてお互いに助け合う精神を促進することによって、個人の成果、学校で言えば成績が伸びることにつながるという。そこが一番素晴らしいことだ。

 教師が持っている有限なリソースの中で、一人ひとりの子供に向き合う時間はそんなに取れない。それならばもっと圧倒的に多くの時間を過ごす子供たち同士で助け合うようにできたら、より効率的だし成果も上がる。

 これは理にかなっている。ビジネスに置き換えると、成果主義というものが、実は組織の中での相互扶助などと相容れないことではない、両立するという視点が、僕は面白かった。

 単一の関係に依存しているような組織は脆弱だ。先生との関係だけではなく、生徒同士の関係など、様々な関係性のネットワークを張り巡らせておくことによって、結果としていじめや落ちこぼれを救うセーフティネットができる。

 優等生、エリートは助け合うことを知らない。劣等生とはいかなくても、どこかで挫折した経験がある人は、友達に助けられた経験があり、互いに扶助することが大切なことだと体感的に分かっている。

 実態としてダイナミックスの主なものは生徒間で起こっている。教師は時々制御するだけ。生徒間の関係性を重視する、そこにおいて感化力を期待するのは、民主的などということではなく、科学的なアプローチなのかもしれない。ビジネスの世界でも、トップは組織の中のすべては見られない。同僚間の相互作用がほとんどのウエートを占めている。

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NHK総合テレビ
4月3日(火)午後10:00~10:43
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     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 いじめや学級崩壊のないクラス作りを進める1人の教師が、今、教育現場で注目を集めている。東京都足立区の公立中学の教師・鹿嶋真弓(48)だ。

 鹿嶋の特色は、「エンカウンター」という生徒同士の関係作りを促す授業にある。例えば、「愛し愛される権利」「きれいな空気を吸う権利」など10の権利の中から、どれが最も大事な権利かを生徒たちに話し合わせる授業。生徒同士のコミュニケーションを深めるきっかけを作るのが狙いだ。このほかにも、鹿嶋は様々なプログラムを駆使し、クラスをまとめていく。絆の生まれたクラスは、いじめが起こりにくく、成績も向上するという。

 現在、鹿嶋が抱えているのは受験を控えた中学3年のクラス。初めて迎える人生の大きな試練を前にした緊張と不安、そして、プレッシャーから生じる生徒同士の関係のきしみ。鹿嶋はどのようにクラスの舵を取っていくのか。本番直前、鹿嶋はある思い切った行動に出る。熱い教師と36人の生徒たちの心のドラマに2カ月間密着!


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