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【第7回】京都・丹山酒造5代目 清酒製造部 長谷川渚さん【前編】

  • 白河桃子

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2007年5月2日(水)

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 毎年3月になると、京都嵐山のトロッコ嵯峨駅から、トロッコ列車が走る。鉄橋の遥か下、保津渓谷の流れに目を奪われていると、片道7.3キロ・25分の道のりもすぐに終わってしまう。風情ある旅の終点が、トロッコ亀岡駅。この町に丹山酒造5代目であり、全国でも珍しい女性杜氏がいる。丹山酒造4代目社長である長谷川敏朗さんの次女、長谷川渚(29歳)さんだ。

丹山酒造5代目の長谷川渚さん(写真:藤本 純生、以下同)

丹山酒造5代目の長谷川渚さん(写真:藤本 純生、以下同)

 京都の西、嵐山の上流に位置する亀岡市は緑と水の町と言われ、なだらかな山すそに田園風景も見られる。かつては、明智光秀が亀山城を築いた城下町でもある。「家の横に酒づくりの蔵があって、小さい頃はそこが遊び場でした。お酒がお米と水からできるというのが面白くて、いつかは自分でやりたいと思っていたんです」と長谷川さんは言う。「高校生の時に、この道に入りたい、そしてどうせなら手に職をつけたいと思いました」

 杜氏を目指す長谷川さんは18歳で高校を卒業してすぐ、酒造職人になるための最も近道を選んだ。滋賀県の日本醗酵機構余呉研究所に研究生として入り、ここで1年間、そして東京農業大学で研究生として半年学ぶ。その後家業に入り、南部杜氏の阿部芳雄さんのもとで杜氏の修業を始めた。

 東京農大といえば、醸造化学科には造り酒屋の娘や息子が何人もいると聞くが、長谷川さんが4年制のコースを選ばなかったのは「1日も早く職人になりたい」という思いからだった。

 造り酒屋の跡取り娘なのに、長谷川さんは職人志向だ。普通、創業者の一族が製造者である杜氏を目指すのは珍しいという。ましてや、女性杜氏はもっと珍しい。「夏子の酒」という漫画で女性杜氏が注目されたことは記憶に新しいが、関西でも女性杜氏はまだ数人だという。

 そもそも杜氏とは、収穫を終えた雪国の農家の男たちが蔵人(くらびと)という酒造職人として出稼ぎをする、季節労働者のことを言う。四季醸造の技術のない時代、酒は「寒造り」と呼ばれ、冬にだけ行われていた。11月に始まり、3月までの「100日」が酒づくりの期間だった。こうした蔵人たちの長が、杜氏である。

京都亀岡市にある丹山酒造

京都亀岡市にある丹山酒造

 優れた技術を持った杜氏たちは出身地別に流派に分かれているが、中でも「杜氏といえば丹波」といわれるほど丹波は酒造が有名で、灘の酒の名声とともに、丹波杜氏の名も全国に広がった。丹山酒造は、丹波杜氏の流れを汲む灘の名酒の蔵元である。

 長谷川さんは19歳で家業の杜氏見習いとなる。当時の丹山酒造では、杜氏と社員3人と長谷川さんの、総勢5人で酒をつくっていた。長谷川さんが蔵に入る時、母親は杜氏に「渚を甘やかさないようにしてください。覚えるのが遅くなりますから」とお願いしたそうだ。

コメント2件コメント/レビュー

本題と直接関係ない部分ですみませんが、「京都市内にいたっては、1軒しか残っていない。」、そんなことがあるわけないでしょう。「伏見」を抱える京都市ですよ。例えば、ここ↓をみてください。http://www.fushimi.or.jp/3_kuramoto/index.html(2007/05/02)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

本題と直接関係ない部分ですみませんが、「京都市内にいたっては、1軒しか残っていない。」、そんなことがあるわけないでしょう。「伏見」を抱える京都市ですよ。例えば、ここ↓をみてください。http://www.fushimi.or.jp/3_kuramoto/index.html(2007/05/02)

桃子ちゃんはこのシリーズだけに精力を全力投球してもよいくらい、毎回いい記事になっていますね。(2007/05/02)

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三品 和広 神戸大学教授