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【第7回】京都・丹山酒造5代目 清酒製造部 長谷川渚さん【後編】

  • 白河桃子

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2007年5月7日(月)

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 酒づくりに欠かせないもの、それは米と水である。蔵には独自の名前があり、丹山酒造の蔵は「宝萬蔵」と呼ばれるのだが、「宝萬蔵」には6つの井戸がある。「涸れたことのない井戸で、そのうち1つを酒づくりに使っています」と長谷川さん。

丹山酒造5代目の長谷川渚さん(写真:藤本 純生)

丹山酒造5代目の長谷川渚さん(写真:藤本 純生)

 仕込みに入る前、蔵の者はみな井戸の神様である「水神さん」に手を合わせる。もともと亀岡にある出雲大神宮(いずもだいじんぐう)は、縁結びで有名で、御影山からわき出た水は幸運を呼ぶ御神水とされ、遠くから汲みに来る人々でにぎわう水の名所だった。名水の地だからこそ、亀岡には酒づくりが根づいているのだ。

 「出雲大神宮の水を仕込み水にしたお酒もあります。酒米は最高級米の山田錦を使いますが、地元亀岡産の米を使ったお酒も造っています。3年前から契約した田んぼで、夏場は社員が米作りをするんです。有機栽培に近づけるし、どんな原料か自分の目で見える。地元の方にも喜んでもらっています」。原産地主義が大きな強みになる昨今、もともと厳選していた原料に、さらにこだわるようになった。丹山酒造のウェブサイトには「田んぼの風景」というコーナーがあり、季節ごとの田の様子が見られる。

 現在丹山酒造では8種類の酒を作り、商品数は常に25銘柄ほどある。本醸造の「丹山」は、創業以来120年以上になる最も古いブランドだ。醸造酒は精米歩合が7割以下(米の3割を削ったもの)で、吟醸酒は精米歩合が6割以下、大吟醸はさらに米を削って5割以下のものを言う。

 試飲させてもらうと、様々な味わいが体験できる。飲み比べると、同じ日本酒でも原料や製造法によってこれだけ違うことに驚かされる。「京都は軟水なので、飲みやすいまろやかな味になります。薄味の京料理に似合うのが京の地酒なんです」と長谷川さんは言う。

 最近は、吟醸と大吟醸の出荷が増えている。長谷川さんが蔵に入った90年代後半は赤ワインブームだったが、次に吟醸酒がブームになった。その頃から「高くてもおいしいお酒がほしい」という要望が増え、4~5年の間焼酎ブームが続いている。希少価値のあるブランドが高値なのは、日本酒も焼酎も同じだ。

 出荷したものはほとんど売り切れてしまうが、丹山酒造では無理に量産せず、ブランドの価値を守るという戦略を取っている。「去年はお米を28%まで削った大吟醸を仕込みました。今年の1月1日に搾って、出来たてを紹介したんです」と、酒づくりの話をしている長谷川さんの目は輝いていて、本当に生き生きしている。

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