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青森の旅館再建で、天職に気づく

~ネットプライス社長 池本克之氏(1)

2007年5月15日(火)

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 職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語っていただくトークセッション「Road to CEO」。今回は、ネットプライス ドットコムを率いる池本克之社長をゲストに迎えた。

 同社は2000年にサービスを開始し、ひとつの商品に対して、購入希望者の数が増えれば増えるほど、値段が安くなるギャザリング(共同購入)というシステムを武器に急成長するネット通販のベンチャー企業だ。

ネットプライス社長 池本克之氏

 池本氏は、ノンバンク、ソニー生命を経て、自ら営業教育会社を起業、その過程でドクターシーラボという通販会社のオーナーに見込まれ、トップに就任、年商3億円の会社を4年間で120億円に伸ばしたという輝かしい経歴を持つ。これまでのキャリアを振り返りながら、シーラボの成功要因、ネットプライスでの模索、「戦略うんぬんよりも、まず社員が生き生きと働く環境の整備が大切」という独自の経営論、ベジタリアンでジョギングが趣味という健康管理まで、オープンマインドで語っていただいた。

 司会は日経ビジネスオンライン副編集長の山中浩之と、インディペンデントコントラクター協会の理事長を務め、様々な企業経営の現場に立ち会ってきた秋山進氏。テーマ別に5回に分け、火・木曜日に掲載する。

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司会、山中(以下Y) ご経歴を見ますと、日本大学の生物資源科学部のご出身ですね。具体的に何を勉強されたんでしょう。

 芋を掘っていました。今は生物資源科学部と名前が変わっちゃったんですけど、私が入ったときは農獣医学部でして。

Y 農業にご興味があって選ばれた。

 いえ、体力で何とかなる学部を選んだんですよ。高校までずっと硬式野球をやっていて、あと1~2回勝てば全国大会に出られるぐらいの、結構いいレベルだったんです。付属校で、何とか引っ掛かるところ、ということです(笑)。

Y 最初の就職先がアポロリース。なぜリース会社を。

 当時は、考えなくても結構いい会社に入れたんです。

Y 1988年ですね。

 そうですね。ほかにも鉄鋼会社に決まっていたんですが、「海外で働きたい」と漠然と思っていまして、3月に入ってから、アポロリースから「来ませんか」という話があって、面接に行ったら、「ニューヨーク支店をつくろうと思っている。君はどうだ(行かないか)」と言われて、それで決めたと。

Y 当時、経営者になりたいという気持ちはありましたか。

 将来なりたいとは思っていましたね。当時の僕の考えでは、サラリーマンを商売の相手にすることになるから、その立場や環境を経験しておく必要があると思ったんです。10年ぐらいやってみるかと、そんな感じだったんです。

現金230億円を目の前に

Y 当時のノンバンクといえば、じゃぶじゃぶ、お金を貸し付けていた印象がありますが。

 そうですね。事情があって、銀行が貸せないような会社にお金を貸したり、モノに変えてリースという形で貸したりするんです。銀行にとって、いっぱいお金を使ってくれるリース会社は格好のお得意さんでした。当時、まだ日本興業銀行がありまして、頭取室まで入れてもらえました。じゅうたんの毛が深くて転びそうになりました。すごかったですよ。

司会、秋山(以下A) 貸した先は、危なそうなところが多かったんじゃないですか。

 そうですね。不動産屋とかパチンコ屋、あまり人に言えない商売の方とか。

A 現金で、一番いっぱい見た金額ってどれぐらいですか。

 230億円です。応接室の机に置くと机が壊れるので、地べたに置いて、不動産を売られた方が台車に載せて、木箱みたいなのに入れて持って帰りました。映画とか漫画みたいですね。

A 危ない目に遭いませんでしたか。

 直接はないですけど、数カ月間、貸したお金を返してもらう仕事をやったんです。荒っぽい職業の方が大変多く、「兄ちゃん、帰り、地下鉄の(駅のホームの)端は歩かん方がええで」と言われたのは怖かったですね。

Y 本当にそう言われるんですか。

 要するに、「今月の返済100万円、社長はどうするんですか」と。「兄ちゃん、100万円なんかあるわけないやんか」と言われても、「いや、いただいていかないと会社に帰って怒られますから、わずかでもください」と粘るんです。そしたら、「それならこれを持っていき」と、財布の中から10万円ぐらいくれるわけですが、領収書を書いて、帰りに「気をつけや」と言われて、何のことかなと思ったんですが、だんだん理解できるようになった。これは命がいくつあっても足らないので転職したんですよ、保険会社に。

学んでお金がもらえる「会社のありがたさ」

Y それで保険会社ですか(笑)。当時を振り返ってみて、今につながっている経験はありますか。

 人との出会いにすごく恵まれた人生を今まで歩いてきたと思っておりまして、最初についた上司が小野さんという方で、入って1~2カ月の間だったと思いますけれども、「池本君、君はこの間まで学生だっただろう。学生の時って学校にお金を払っていたでしょう」と。

Y それはそうですね。

 「学ぶ時ってお金を払って学ぶのに、会社ってありがたいと思わないか。君は学べてお金がもらえている。それで給料が安いと文句を言っちゃいけないよ」と言われたんです。「なるほど」と思いまして、これは今でも新入社員に言うんですよ。中途採用で来た方でも、「前の会社は(今より高い)給料でした」と言う人がいます。そういう人には「じゃあ、そこから何であなたは出てきたの。新しいことを学びに来たんだったらいいじゃないか」と。小野さんの言葉が(僕の中に)ずっと残っているんです。

Y 保険会社の中で、ソニー生命を選ばれた理由は。

 ノンバンクの仕事をやっていて、「自分の方向性と違うな」と思ったんですよ。「自分の得意なこと、やっていて楽しいことって何だろう」と思ったとき、人に物を教えることが好きなんだというのが分かってきて、教える仕事を探していたんです。

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「青森の旅館再建で、天職に気づく」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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