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エリートを大事にすると組織は弱くなる

~元・産業再生機構 専務兼COO 冨山和彦氏(4)

2007年6月14日(木)

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職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。今回は、3月15日に当初の予定を1年前倒しして解散した産業再生機構の代表取締役COO、冨山和彦氏をゲストに迎えた。


元・産業再生機構 専務兼COO 冨山和彦氏

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 カネボウ化粧品の場合、(いま社長になっている)知識賢治さんという人は、理と情のバランスが取れた人間ですが、中から上がっていますから、基本的には情の世界の出身者です。そうすると、血が流れるようなことには限界があるんです。合理的にやる人も必要なので、うちから、元マッキンゼーの、余語さんという血も涙もない人に行ってもらって(笑)。ああ、これは余語さんを褒めているんですよ。

 だから、経営というのは頭がいいとか悪いとかより、ちょっと違うところにあるんです。これは新しい概念ではなくて、渋沢栄一が近いことを言っています。「経営の要諦は何か」と問われて、「右手にそろばん、左手に論語」と言ったでしょう。松下幸之助も同じようなことを言っているから、この肝のところは変わっていないんです。ああいう大経営者も若いときに散々、理と情の相克で苦労し、血の小便が出るような思いをしている。

 経営は、ある意味、罪つくりな仕事なんですよ。いくら僕らがきれいごとを言っても、カネボウだって結果的に退職をしなければならなかった人はいっぱいいた。塀の向こうに落っこちた人もいた。

Y そうですね。

 彼らは僕らのことを恨んでいることは間違いない。その人たちの家族は罪がないけれども、刑事被告人の妻であり子供になっちゃうでしょう。あるいは、お父さんが退職しなきゃいけなくなったから、息子さんが大学に行けなくなっちゃったかもしれない。経営の仕事というのは、一方でいいこともしているけれども、同時に罪を作り、人に迷惑をかけています。

 そこに経営者の大変さがあるので、子供が経営しちゃだめなんです。ヒルズ族はその重さが分からない(笑)。だから、彼らに対して、オールドエスタブリッシュメントだけじゃなくて社会全体が牙をむいちゃうんです。

株主と機関投資家のレベルアップを

司会、秋山(以下A) この合理と情理は放っておいたら離れるばかりなんですよ。両者をつないで同意を形成していくために、産業再生機構という会社があって、その後ろには国家も市場もあって。そういったプレッシャーがあって、初めて同意が導き出されたわけで、取締役会や銀行がなあなあを続けていたら、合理と情理は永遠にスポイルされたまま稼働しない感じがするんです。

 上場企業で粉飾事件が頻発するのは資本市場が“だらしない”からです。上場企業は資本民主主義でやっているわけでしょう。ということは、株主あるいは機関投資家に、「それだけのものを担っているだけの気概と責任感が果たしてあるんですか」という問題がある。

 彼らの成熟度が極めて低い。彼ら自身がもっと鍛錬して自分たちのレベルを上げていかないとだめです。この前、ある機関投資家がこう話していて、僕も目が点になりました。「私は経営のことはほとんど分かりません。経営に関与する気もございません。株式を買うのは、企業価値を上げるためにやっているんですよ」と。経営に関与する気もない、経営のケの字も分からない。ずっと機関投資家で株の売り買いしかやっていません程度で、どうやって企業価値を上げるんですか。株を買っただけでは企業価値は上がらないですよ。

Y そうですね。

 アメリカでそういうことを言う馬鹿はいない。だって一番尊敬されている投資家はウォーレン・バフェットでしょう。彼は経営を語り、完全に経営に干渉していますからね。経営を語れないやつが投資家をやっちゃいけないんです。僕はいつもそれを村上に言っていたんです。

Y 村上というと、村上世彰さんに。

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「エリートを大事にすると組織は弱くなる」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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